「心霊探偵八雲」シリーズの著者が描く、ピュアな物語『イノセントブルー』

大人気のホラーミステリー『心霊探偵八雲』シリーズの著者、神永学さんが描いた、最新刊『イノセントブルー』は、ハートフルな物語。
『心霊探偵八雲』シリーズは、物語自体はホラーミステリーということで結構恐いですが、根本のテーマは‘愛’だと思います。家族の絆、友情、そして男女の愛。
今回描かれた『イノセントブルー』は、‘前世’をテーマにした、ホラー色の薄い、人間再生の物語。

大学生の青年・悠人は、毎日同じ夢を見ていた。
あるとき、夢に出てくる女性がずっと昔実在したことを知る。そして自分の前世に関係しているのではと思う。そんなとき夢に出てきた女性に出会う。悠人は運命の再会と信じ、その女性につきまとう。
ペンションのオーナー・森川は海辺で倒れていた男を助ける。
自分のペンションに連れ帰るが、彼は妙な事を言う。「あなたの前世を見せてあげます・・・。」と。
彼の名は才谷梅太郎。不思議な男だが、森川は妙に懐かしく感じる。
悠人にしつこくつきまとわれた女性・千里は、悠人から逃れペンションへとたどり着く。
そこで森川と出会った千里は、懐かしさと安堵感を感じる・・・。
落ちぶれた元会社社長、医者としての本分を忘れた、病院院長らが何かに導かれるようにこのペンションに集まってきた。才谷は彼らに前世を見せると言う・・・。

現世と前世を交互に描き、苦悩して現世を生きる者たちへ生きるとは何かを気づかせる・・・。
心がホッとする、ピュアでハートフルなストーリーです。

ラストの才谷の正体が意外!?

『イノセントブルー 記憶の旅人』
著者: 神永学
出版社:集英社
価格¥1,300(税別)