「隠蔽捜査」シリーズ初の短編集『初陣』が文庫化です。

「隠蔽捜査」シリーズ初の短編集『初陣』が文庫になりました!
原理原則の男・竜崎伸也と警視庁刑事部長を務める、伊丹俊太郎との絆が描かれた、8編の短編を収録。
はまさき、この巻結構好きです。
短編なのに、二人の友情の深さが感じられる。たぶん「にやにや」しながら読んだと思う。

警視庁刑事部長を務めるキャリア・伊丹俊太郎と大森署の署長、竜崎伸也は、幼馴染で同期だ。竜崎は、警察庁長官官房総務課課長だったが、家庭内で不祥事が

起こり、そのせいで所轄の署長に格下げされたのだ。
キャリアが所轄の署長なんてありえない!伊丹はそう思っていたが、原理原則の男・竜崎はなんとも思っていない。
彼は彼の仕事をするだけなのだ。
伊丹は、そんな竜崎につい頼ってしまう。伊丹は刑事部長という立場上、自分ではどうしようもなく困ったことがあると、竜崎に電話をしてしまう。
竜崎の愛想のない一言にどれだけ救われただろうか・・・。

私自身もいろんなことで迷ってしまう。同僚の顔色を見て、意見をいったりしてしまう。すごく嫌な気持ちになる。
でもそんなとき、伊丹と同じように、竜崎の言葉を読むと、不思議とすっきりする。
何を悩んでいたのだろうと・・・・。ふっきれてしまう。

物語の中の二人の絆に感動し、竜崎の言葉に励まされる。
警察小説、ミステリーの枠を超え、人としてどうあるべきか、どう動くべきかを教えてくれる、すごい作品。

今回は、二人の知られざる過去も描かれて、「隠蔽捜査」シリーズをさら深くに楽しめる作品集です!

『初陣 隠蔽捜査3.5』
著者:今野敏
出版社:新潮社
価格¥550(税別)