そして第2の事件に挑むことなる。第2弾は『特捜部Q キジ殺し』(早川書房)。
カール・マーク警部補とアシスタントのアサドは、二十年前に惨殺された十代の兄妹の事件を再度調査し始める。
犯人はすでに逮捕・収監されているが、単独犯ではありえない痕跡がちらちらと残っていた。
そんな中、その事件の資料が盗まれ、なんとカールのデスクに置かれていたのだ。
マークにこの事件と真剣に向き合わせるために、一人の刑事がしたことだった。
その刑事は、事件の背後に政財界の大物が絡んでいることを示唆。そしてカールは本格的にアサドと二人で事件を追うことに・・・。しかし動き出したとたん上層部から圧力がかかる。
ダメだと言われると余計にやりたくなる、あまのじゃくな性格のカール。捜査の手をゆるめることなくじわじわと真相に近づいて行く・・・。
第2弾は女性が多く登場します。
カールが恋に落ちる、心理カウンセラーに加え、特捜部Qに新たに配属された、ローセ。美人じゃないけど、キュートな性格で、だんだんと愛着が沸いてきます。
さらに事件の真相を知る、要注意人物の女性。彼女の過去と現在の境遇がこの作品に奥行きを与えています。
そして残酷な事件・・・。‘キジ殺し’の意味がわかるととても怖いです。
この作品は人間の傲慢さ、残酷さが非常にリアルに描かれています。それを許さないカールとアサドも衝撃的な展開で真実を知ることになります。二人の命を懸けた行動が圧巻です。
そしてシリーズ第3弾『特捜部Q Pのメッセージ』は好評発売中、第4弾も5月に発売されたばかり。
海外警察小説では、人気がうなぎのぼりのシリーズです。
『特捜部Q キジ殺し』
著者: ユッシ・エーズラ・オールスン
出版社:早川書房
価格:¥1,900(税別)
価格:¥1,040(税別)文庫版