人情あふれる署長刑事シリーズ第3弾「指名手配」

姉小路祐さんの『署長刑事』シリーズ第3弾を読みました。
タイトルは『指名手配』です。
今回は一人の少年が事件に巻き込まれてしまいます。

セレブ相手に営業し人気を博している、ミナミの高級美容院の一人娘が学校の生徒会長室で殺害された。
そして指名手配されたのは、同校の定時制に通う男子生徒だった。
少年は殺害を認める通報をするが、逃走。
その少年の父親は、大阪中央署署長、古今堂の部下の丸本刑事の実家の弁当屋を手伝っていた。そのせいで、丸本刑事と少年は顔見知りだった。
そして少年は丸本刑事に頼ろうとする。
そうとは知らず、丸本刑事は少年に自首を勧めるが、またまた逃げられてしまう。
丸本刑事は指名手配犯を逃亡させたと疑われ、署内で非常に厳しい立場に追いやられてしまう。

古今堂署長は、少年の行動に不信を抱き自ら動き出す。
少年の父、殺された女子生徒の行動、彼女の両親の身辺を探る内にそれぞれに隠された秘密を知る。
そしてそれぞればらばらだったたピースを繋ぎあわせると、事件の裏に隠された悪意ある真相に突き当たる・・・。
罪もない人たちを巻き込み、さらに人の弱みに付け込んで、罪を逃れようとする者たちに怒りをあらわにする古今堂署長・・・・。
少年のため、丸本刑事のために、そして何より悪事を働き平気な者たちに正義の鉄槌を下すために、古今堂は孤独な闘いを続ける・・・。その姿勢がかっこいい・・・。

大好きな古今堂署長シリーズ。最新刊も面白くかったです!!

『署長刑事(デカ) 指名手配』
著者: 姉小路祐
出版社:講談社
価格:¥648(税別)