心霊探偵八雲シリーズ外伝第2弾「いつわりの樹」グッときました!

この「いつわりの樹」は、舞台上演用に描かれた、オリジナルストーリーの脚本をノベライズされたものです。
以前発行された、「SECRET FILES」に続く心霊探偵八雲シリーズ外伝の第2弾です。

 

 

神社の境内に大きな杉の樹がある。
この樹には、男に裏切られ首を吊って死んだ女性の怨念が宿り、この樹の前で嘘をつくと呪われるという伝説があった。その樹は「いつわりの樹」と呼ばれるようになった。

 

ある時、その伝説の樹の前で男性の刺殺体が発見された。
後藤刑事と石井刑事は現場に急行。
石井刑事は、亡くなった男性に見覚えがあった。
容疑者はすぐに割れたが、彼の供述と被害者の致命傷が一致しない。
現場百回の後藤と石井は再度現場に戻る。

 

一方、八雲と晴香は、晴香の友人・麻衣の不可思議な現象の悩みを聞き、「いつわりの樹」のある境内に向かう。
そこで後藤と石井に遭遇する。
八雲の赤い目が、刺殺された男性の霊を見つける。そして、麻衣に憑りついた霊と刺殺事件が繋がっているのではないかと疑う・・・。さらに石井の過去が明らかに・・・・。

 

大好きな八雲シリーズ。この外伝もホラーの怖さと、ミステリーの謎解きが十分に堪能できる。
今回は、いつも後藤に怒鳴られている石井刑事の過去が明らかになる・・・。切ない。
そしていつも石井を怒鳴っている後藤が、本当は石井のことをどう思っているのか?多分シリーズで初めて明かされるのでは?
後藤の意外な優しさに驚く。
そして、最初の出会いが最悪だった、石井と新聞記者の真琴との関にも変化が・・・・。などなどおなじみのキャラの新たな一面が楽しめます。面白いですよ~。

 

『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES いつわりの樹』
著者:神永学
出版社:角川書店
価格:¥590(税別)