本屋さんは「謎」がいっぱい!「レジまでの推理」。

似鳥鶏さんの「レジまでの推理 本屋さんの名探偵」は
書店を舞台にした‘ほんわか’ミステリー。

書店に勤めていても、お客様からの問い合わせは
時に「ミステリー」と感じることもあります。

「7冊で海を越えられる」「全てはエアコンのために」
「通常業務探偵団」「本屋さんよ永遠に」
の4作品が収録されていて、どれもとっても面白い。

海外赴任が決まり、彼女に相談もせずに
それを決めちゃった男性。喧嘩別れした後、
彼女から送られてきた本の内容にボーゼン!
一体どういう意味なのか?
懇意にしていている本屋さんに相談するが…。
本のタイトルが暗号化。秘密のメッセージを解読できるのか?
「7冊で海を越えられる」

大学生の男性が引っ越し先で大好きな作家のサイン本が
行方不明になったので、もしかしたら手伝いをしてくれた
友人が持って帰ったのでは?と思い、友人がバイトをしている
本屋さんにやってきた。彼は友人が持ち去ることは
不可能だと言うが….。スタッフたちは様々な推理を展開する。
ラストはちょっと切ない。
「全てはエアコンのために」

カリスマ人気作家のサイン会が開かれた。作家はその書店に勤務
するバイトの友人ということでサイン会を快く引き受けた。
無事にサイン会は終了。ところがその後からお店のポスター等に
気味の悪い嫌がらせが始まった…。
「通常業務探偵団」

POPばかり書いている店長さんの謎解きが圧巻ですよ~。
本にまつわるミステリー。こんなに「謎」があるなんて!
読んでいて「なるほど~」と膝をうちました。
それから、書店用語のミニ解説が面白いです。

万引きに、悪質な嫌がらせ・・・次々と不穏なことが起こる
書店。最近店長に元気がない・・・。そんな時に小火騒ぎが
起こった!「本屋さんよ永遠に」

この章は本が好きなすべての書店員の悲痛な叫びが描かれて
いる。書店員が読むと実際のそうなんだと叫びたくなると同時に
でも本屋は決して無くならないと信じたくなる。っていうか
信じてる。
「本も好きだけれど、それとは別に本屋が好き」「本屋さんで
欲しい本を見つける」というセリフに涙が出てしまいました。

『レジまでの推理 本屋さんの名探偵』
著者:似鳥鶏
出版社:光文社
価格:¥1,300(税別)