胸が熱くなる!時代小説『童の神』

『羽州ぼろ鳶組み』『くらましや稼業』シリーズ
など人気の時代小説シリーズが続々ベストセラー入り!
大ブレイク中の今村翔吾さんの初の単行本『童の神』
を読みました!

「童の神」は、第10回角川春樹小説賞受賞作で、
選考委員の方々が満場一致で激賞した時代小説。

はまさきもプルーフ版を読ませて頂いた時に
あまりの面白さになんだかぞわぞわしました。

平安時代、京の都の人たちはかなりの上から目線で
「童」(朝廷に属さない先住の民)たちを蔑んでいた。
彼らは、鬼・土蜘蛛・不知火・滝夜叉などと呼ばれていた。
京人たちは、権力を持って「童」たちの大切なものを
奪ってゆく・・・。

越後で生まれた桜暁丸は、父と故郷を奪った京人に
復讐を誓っていた!身分を隠し、京で暮らす内に
一人の盗人と出会う。彼は貴族でありながら、
朝廷のやり方に不満を持ち、彼なりのやり方で
民や「童」たちを守ろうとしていた。桜暁丸は
そんな盗人に心酔し、兄と呼ぶようになる!
しかし、悲劇は起こった!
大切なものをねこそぎ奪われた桜暁丸は、ほかの
「童」たちを仲間に引き入れ、朝廷に闘いを挑む!

いつの時代も権力者は傲慢で、自分たちのことしか
考えない。民よりも自分たちの立場やメンツが大切なのだ。
民はいつでも平穏で公平な世の中を望んでいるというのに。

ちょっとだけ、平安時代の歴史の闇を垣間見た感じだ。

登場人物が全て魅力的!
童たちの正義はどこまでも潔く、京の貴族階級の
悪人たちはどこまでも悪として描かれ、両者の
激烈なる戦いぶりに、心を鷲掴みにされる!
ワクワクが止まらなかった、凄い時代小説!

『童の神』
著者:今村翔吾
出版社:角川春樹事務所
価格:¥1,600