「バチカン奇跡調査官」最新作は感動もの!

大好きなシリーズ「バチカン奇跡調査官」の最新作が発売されました。
『バチカン奇跡調査官 終末の聖母』です。
今回の奇跡調査の舞台は、神秘あふれるメキシコのグアダルーペ。
平賀とロベルトの前にどんな奇跡が待ち受けているのか?

バチカン⑦

バチカンでは、前代未聞の出来事が起こっていた。
老齢を理由に法王が自ら職を辞したのだ。
これにより、急遽、法王選出のコンクラーベが行われることになった。
そんな頃、奇跡調査を担当する、天才科学者・平賀と
暗号解読のエキスパート・ロベルトは、有名彫刻家の作品の
除幕式に出席するため、メキシコのグアダルーペ寺院を訪れていた。
だがその時、法王候補の名が刻まれた彫刻が音もなく空中に
浮かび上がり、光輝く神の道が出現!
神の奇跡を間近に観た観衆は喜びに沸いた!
しかし、二人は、コンクラーベのタイミングで奇跡現象が起こった、
法王候補に疑惑の目を向ける。
そして二人の奇跡調査が始まった・・・。

現実でも、メキシコ、中南米と言えば、数々の奇跡現象が起こる場所として有名だ。
人間には計り知れない何かがあるとしか思えない。
そんな場所を舞台に、平賀とロベルトは、科学調査を行う。
どんなに詳しく調べてみても、空中に浮いた彫刻にはなんのトリックも
施されていないのだ。
奇跡現象の秘密は、アステカの伝説にあるのではないか、そして
黒い聖母に秘められた真実を追う。

今回の二人は事件に巻き込まれたというより、
事件に巻き込まれた人々を助けたことによって、奇跡現象の
秘密に近づくといった物語。
そして、今回は伝説を科学的に検証するシーンが続く。
科学や物理学が苦手な人は難しいかも知れない。
はまさきもそっち系はほとんどわからない。
だが、伝説を紐解くことによって、アステカ・インカ帝国、
等々が現代で言う科学・物理学を駆使していたのか?
が語られている。
すべてそういうものを超えた、宇宙の神秘?
科学も物理学も神のなせる業?という結論に至るのでないか?
人間の思惑などそれらの前では塵にもならない。

この「終末の聖母」は、本当に‘神’の意志を感じる物語。
読み終わったあとに鳥肌がたってしまった・・・。
時間があればもう一度読みたい!すごい。

もうひとつ今回のお楽しみは、新キャラクター登場だ。
平賀の良きパートナーでハッカーの天才・ローレンが
バチカンから消え、その代わりに、インド人の
チャンドラ・シン博士が登場するが、この人物も謎に
包まれていて、とても興味深い。
この後、二人にどう絡んでいくのかが楽しみ。

『バチカン奇跡調査官 終末の聖母』
著者:藤木稟
出版社:KADOKAWA(角川ホラー文庫)
価格:¥800(税別)