史上初の推理小説「モルグ街の殺人」が凄く面白い!

仕事の関係で古典名作を紹介してくださいと依頼され、
ミステリー好きのはまさきが‘これだ!’と思って紹介したのが
エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人・黄金虫』(新潮文庫)
でした。読んだのは高校生のときで、真犯人が衝撃だったので、
そこだけはしっかりと覚えていたのですが、その過程をすっかり
忘れてしまっていたために、紹介するにあたり再読しました。
ついでに、収録されていた他の短編も読みました。
読み終わった後は「こんなに面白かったのか・・・」と
再確認したのでした。

モルグ街

「モルグ街の殺人」は推理小説としてはあまりにも有名。
主人公のオーギュスト・デュパンなる人物が、パリで起きた
残虐な母娘殺人事件を、現場・遺体の状況、隣家の聞き込み
等から論理的に分析・検証し事件の真相を明らかにするというストーリー。
警察はすでに犯人を絞り込んでいたが、全く見当違いの
推理だったため、下手をすると誤認逮捕という危うさ。
事件の真相を明らかにする過程は見事で、納得の分析力。
そういう過程も非常に面白いが、真犯人に度肝を抜かされる。
それこそまさに驚愕の展開と衝撃の真相?!
史上初の推理小説は、現代の推理小説と比較しても
全く遜色なく、ミステリーの醍醐味を堪能できる。
オーギュスト・デュパン。彼こそ後の数々の‘名探偵’たちの
祖である。

他には初の暗号解読小説『黄金虫』。
この作品の暗号解読できるか!?(難しかった!)
そして、無実の人間を犯人に仕立て上げるトリックの数々
を披露した「おまえが犯人だ!」は強烈なインパクト。

史上初の推理小説、暗号解読小説をこれでもか!!
と堪能できる1冊。

『モルグ街の殺人・黄金虫』
著者:エドガー・アラン・ポー著/巽孝之訳
出版社:新潮社(新潮文庫)
価格:¥490(税別)