今野敏さんの文庫最新刊「軌跡」は傑作短編集。

今野先生の短編集が発売されました。
角川文庫から初だと思われます!
「軌跡」です。
短編の中で、該当するタイトルはないので、
単行本未収録の短編を集めて今野先生の作品の
‘軌跡’としてつけられたタイトルだと思います。

軌跡

第1話「老婆心」は、「刑事調査官」シリーズ。島島コンビが活躍する警察小説。
大島巡査部長&湯島巡査が管内で発生した殺人事件を、心理調査官の島崎優子
を加え島島島トリオで解決してゆく。捜査本部が立った直後、妻から
「母親が倒れた」との連絡が入り、仕事か母親か苦悩する。方や、
島崎心理調査官も上の空でおかしい。それぞれ悩みを抱えながら捜査するが・・・・。
母の気持ちを知った時、タイトルの意味がすとんと落ちる・・。
上手いなあ~今野先生って。この「老婆心」は新潮文庫の、警察小説アンソロジー
『鼓動』に掲載されている、「刑事調査官」の第2弾です。
また読みたくなってしまった!

第2話、第6話は空手の物語。
第4話「タマシダ」はSFホラー。
さえない会社員のアイディアからヒット商品が生まれたが、
会社員はそこから狂気へと堕ちていく・・・。
とても不気味だったけど、奥が深くてとても面白かった。

第5話「生還者」もSFもの。

何でも描けちゃう今野先生の魅力がたっぷりと詰まった
贅沢な1冊です。

『軌跡』
著者:今野敏
出版社KADOKAWA(角川文庫)
価格:¥520(税別)