現在来日中!アスレチックスの奇跡を描く!「マネー・ボール」

今日紹介する作品は実はミステリー小説ではありません。でもめちゃめちゃ面白いのでどうしても紹介したいスポーツノンフィクションです。タイトルは『マネー・ボール』(マイケル・ルイス著)。貧乏球団で万年弱小と言われた「オークランドアスレチックス」を常勝球団に育て上げた、カリスマGM、ビリー・ビーンの手腕を描いたスポーツノンフィクションです。

ブラッド・ピットがカリスマGM、ビリー・ビーン役で映画化され、話題になりました。映画は観たかったけど観に行けず・・・・。先日DVDが発売になったので思わず買ってしまい、その日の内に観てしまいました。
以前公開された「メジャーリーグ」という派手な野球映画のようになるのかなと思って観ていました。ビリー・ビーンの苦悩、どうしたら勝てるのか?お金がないのでスター選手も呼べない。ないないづくしでビリーがとった奇策とは!?ビリー・ビーンに焦点をあてた、非常に渋い人間ドラマに仕上がっていてとても良かったです。(派手さはなかったけど・・・。)

しかし、原作の『マネー・ボール』はもっと面白いです。スポーツノンフィクションってそんなに読まないですが、この本は面白すぎていっき読みでした。

(画像は単行本。すでに文庫化されています。文庫の表紙は映画仕様でブラピが表紙です。)

勝てるチームにするには、選手のどこを見て投資するのか?!考え続けた結果、ビリーが出した策は、今までの野球の常識をほぼ覆してしまった。
スカウトマンからはあきれられ、球団本部からも強硬な反対にあう。しかしビリーは勝ち続けていくために信念を曲げなかった。
データを駆使し、選手の特性にあったポジションと支持を与える。勝つためにビリーは監督でさえも飛び越え、理不尽なまでのトップダウンで選手たちを、そして球団を変えていく。やがてアスレチックスは徐々に勝ち星を上げていく。
ビリーがいかにして球団を変えたのか?それは誰にも予想がつかない。読んでみてはじめて‘おおお~’と驚愕する。ほんとに面白かった。

日本での開幕戦のため、アスレチックスはマリナーズとともに来日中。その試合、この本をを脇に置いて観戦したら野球の面白さが倍増すること間違いなし!です。

『マネー・ボール』
著者: マイケル・ルイス
出版社:早川書房
価格:¥940(税別)