時刻表トリックの原点!松本清張「点と線」

最近、仕事で松本清張の本を紹介する機会があり、
ずっと昔に読んでいた、「点と線」を読み返しました。

何十年も前の作品。
トリックも犯人もわかっているのに、読んでしまう。
そして新たな発見に驚く!

点と線

九州博多付近の海岸で、男女二人の変死体が発見された。
地元警察は、服毒による心中事件として片づけた。
一見、完璧に近い動機づけを持った心中事件。
しかしその裏には恐るべき奸計があった!
地元警察のベテラン刑事・鳥飼は、
亡くなった男がある汚職事件にからんだ官僚だったことから、
この心中事件に疑いを持つ・・。

多くの時刻表のトリックを使ったトラベルミステリー傑作中の傑作!

鳥飼刑事は、被害者の遺留品である「一人旅」を示すレシートから
‘これは本当に心中事件なのか?’と疑い始めるシーンなど凄い推理力だと感心した。
また汚職事件にからんだ複雑な背景、
容疑者の鉄壁のアリバイをいかにして崩すのか!?
刑事たちの執念が時刻表の複雑なトリックを
見破った過程などワクワクドキドキする一番の読みどころ。

さらに、ラストにある驚愕の真実・・・。
このラストにはほんとに驚きました。
わかっていてもやっぱり驚く。凄い設定。

松本清張に挑戦するなら、この作品からおススメします。

『点と線』
著者:松本清張
出版社:新潮社(文庫)
価格:¥490(税別)