ひねりの利いたイヤミスの極致「衣更月家の一族」

「鬼畜の家」ですっかり深木章子さんのミステリーに
はまってしまいました。

この作品「衣更月家の一族」は、「鬼畜の家」に登場した
キーマン、元刑事の探偵・榊原が再び登場!

衣更月家

物語は、大学教授であった衣更月家の当主が、
若き大学生と心中を謀ったことから始まる・・・。

「すぐ来て下さい!姉が…、私の夫に殺されたんです」
凶器の花瓶には通報者の夫の指紋が付着、その夫は逃走中!
これを捕まえれば万事解決、当初は単純な事件と思われたのだが、
数日後に男が出頭、そこから思わぬ展開を見せ始める。

3つの家族内で起こった殺人事件・・・。それらの家族には何の関係も
ないと思われた・・・・。
だが、元刑事の探偵・榊原は3つの殺人事件に共通するキーワード
を発見する。
それは、衣更月家・・・。
榊原のするどい洞察力と推理で、3つの殺人事件に隠された
とんでもない秘密を暴く。
ひとつひとつの家の殺人事件がなんのために描かれているのか
読んでいると繋がりは全くわからない。
しかし「衣更月家」というキーワードを当てはめると
何らかの事件の骨格が見えてくる・・・かもしれない
でもそこまでだ。
榊原が導き出した事件の真相は、絶対に予測できない・・・。
こんな結末なのでは?という読者の推理をはるかに裏切る、
驚愕過ぎる展開なのだ・・・。

体操の白井君じゃないけれど、ひねり王子もびっくりの
技が冴え渡る!「超」驚愕!衝撃のミステリー。

『衣更月家の一族』
著者:深木章子
出版社:原書房
価格:¥1,800