今野敏先生の「横浜みなとみらい署暴対係」シリーズは、
横浜みなとみらい署暴対係の活躍を描いた、警察小説。
安積班シリーズのように、チームで事件解決に挑むのですが、
暴力団の事件を捜査するので、その手の話が苦手という人もいるかもしれません。
今野先生は、結構暴力団を扱う小説を描かれています。
暴力団と闘う、潜入捜査官・佐伯が主人公の「潜入捜査」シリーズは
暴力団=超「悪」という構図で、武闘派の佐伯が徹底的に
たたきのめすというストーリーで全7巻ありました。
これは勧善懲悪のストーリーなので、読後は結構すっきり
しました。
あと、警察小説ではないのですが、昔気質のヤクザ「阿岐本組」
が学校や出版社、病院などをたてなおす「とせい」シリーズ。
これは結構心にグッとくるストーリー。
とにかく、今野敏先生は「暴力団」というテーマでも
あらゆる角度から描ける作家さんです!
「横浜みなとみらい署暴対係」シリーズは、ずいぶん前にシリーズ第1弾
「逆風の街」が発売されてから新作がなかなか出ず、どうかなと思っていたら、
第2弾「禁断」が発売。そして3弾と次々と文庫化されたので、
ファンとしては嬉しい限り!
シリーズ第3弾「防波堤」は短編集。
「ハマの用心棒」と呼ばれる、神奈川県警みなとみらい署の暴対係長・諸橋と
陽気な相棒・ジョーこと城島は、部下たちからの信頼も篤い。
ある日、馴染みのやくざ・神野組唯一の組員・岩倉が身柄を拘束された。
素人に手を出したという。昔気質の神野組が素人に手を出すはずがない。
諸橋と城島は岩倉の取調に立ち会う。表題作「防波堤」
横浜に蠢く悪に諸橋班が立ち向かってゆく。チームワークの良さは
「安積班」にも負けない!
さらに諸橋に情報提供する、昔気質のヤクザ・神野組長と
たった一人の組員・岩倉との絡みも温かく描かれている。
暴力団の不穏な動きを事件になるまえに未然に防ぐ、諸橋たちの
活躍が小気味良い!
横浜みなとみらい署暴対係シリーズ第2弾「禁断」
横浜・元町で大学生がヘロイン中毒死した。
暴力団・田家川組が事件に関与していると睨んだ、
みなとみらい署暴対係警部・諸橋は、陽気な相棒・城島と事務所を訪ねる。
事件を追っていた新聞記者、さらには田家川組の構成員まで本牧埠頭で殺害され、
事件は急展開を見せる。焦点が絞れない連続殺人事件。
この連続殺人で、横浜に危険なものを感じた、城島は
「なんだかすわりが悪い」とつぶやく・・・。
諸橋と城島は事件の真相を探るべく、神野組に向かう!
「ハマの用心棒」こと諸橋の怒りが炸裂!
横浜みなとみらい署暴対係シリーズ第1弾「逆風の街」
神奈川県警みなとみらい署の暴力犯係係長の諸橋は「ハマの用心棒」と呼ばれる。
両親を抗争の巻き添えで失い、暴力団に対して深い憎悪を抱く諸橋のあだ名だ。
地元の暴力団には脅威の存在だ。
ある日、地元の組織に潜入捜査中の警官が殺された。
警察に対する挑戦か!?
諸橋は、ラテン系の陽気な相棒・城島と絶妙なコンビネーションで
事件に迫る!諸橋班の浜崎、倉持、日下部、八雲のメンバーが港ヨコハマを駆け抜ける。
シリーズ第1弾は、諸橋班VS暴力団!そして、警察上層部との軋轢!
『逆風の街 横浜みなとみらい署暴対係』
著者:今野敏
出版社:徳間書店(文庫)
価格:¥629(税別)
『禁断 横浜みなとみらい署暴対係』
著者:今野敏
出版社:徳間書店(文庫)
価格:¥714(税別)
『防波堤 横浜みなとみらい署暴対係』
著者:今野敏
出版社:徳間書店(文庫)
価格:¥640(税別)