箱根駅伝学連選抜チームを描く「チーム」

今日書くのはミステリーではありません。
でも読んでる途中から鳥肌がたつほど感動し、
どうしても書かずにはいられなくなり紹介します。

仕事の関係で読んだ、スポーツ小説、
箱根駅伝、学連選抜チームの激走を描いた、
「チーム」です。
著者は、いまや日本を代表する警察小説作家
堂場瞬一氏です。
堂場さん、実はスポーツ小説を描いて作家デビュー。

はまさき、実は駅伝が大好きで、お正月の箱根駅伝を
視るのが何よりの楽しみ。この本を読めば
2015年お正月の駅伝が10倍くらい面白く視ることが出来ます!

チーム

史上まれにみる好タイムばかりの選手が集まった、
箱根駅伝学連選抜チーム。
吉池監督は、自分が監督する大学では毎年
箱根に行くことが出来ずあきらめていたが、
なんと「学連選抜」チームの監督して箱根に行くこととなった。

学連選抜チームのキャプテンに指名された城南大の浦は、
前年の箱根でアンカーとして走ったが、途中故障で大失速。
シード権を落とし、予選会で箱根を狙ったが10位以内に
入れず城南大は箱根で走ることが出来なくなった。
しかし、浦は好タイムだったため、学連選抜チームに呼ばれた。

東京体育大の山代は、3年連続区間新を出した天才ランナー。
だが東京体育大は、山代一人の頑張りではどうにもならず
箱根を逃してしまった。そして山代は学連選抜に呼ばれる。
だが、山代は徹底的に個人。チームのために走るなど
考えたこともない孤高のランナーだ。

箱根未経験の東都大1年の朝倉、港学院大の門脇ら、
十数名が学連選抜チームに選ばれた。

キャプテンとして、チームをまとめようとする、浦。
チームは関係ない!己の走りに徹すると豪語する山代。
二人の思いは決して交わることがないと思われたが・・・。

そして、チームとしての目標・・。吉池監督は「優勝」と言い切った。
学連選抜チームが優勝なんてありえない。
究極のチーム競技と言われる駅伝で、寄せ集めのチームが
優勝するなど・・・だが、吉池はやってみせると誓った。

学連選抜チームが駅伝で走る意味とは?
襷は誰のために繋ぐのか?
駅伝を視始めてから常に思っていた。
だが、この小説を読むと、監督や選手の様々な思いがあることを知る。
箱根駅伝にすべてをかける人たちの思いだ。
チームのためか?己のためか?
この究極の思いを、この作品で見事に描かれているのだ。

また、孤高のランナー、山代がどう変わるか?
浦は前年の箱根リベンジを果たすのか?など
目標達成はなったのかなど・・・読みどころは満載!

さらに、箱根激走のシーンは選手たちそれぞれの
心のつぶやきが綴られ、箱根を疾走する選手たちの
息づかいまで聞こえてくるよう・・・。
まるで自分自身が選手になったような錯覚に陥いる。

箱根駅伝をここまでドラマチックに、さらに臨場感たっぷりに
描いた作品はほかにない。
鳥肌物のスポーツ小説。

『チーム』
著者:堂場瞬一
出版社:実業之日本社
価格:¥686