史上初!6冠達成のフランス発驚愕のミステリー「その女アレックス」

今年のミステリーランキングは海外の作品に注目が集まっています。
特に、このミス、週刊文春、ミステリが読みたい!など、
いずれのミステリーランキング海外部門で1位に輝いた
「その女アレックス」(ピエール・ルメートル著 文春文庫)は、
日本でも外国でも非常に評価が高く、海外の有名なランキングでも
1位に入るなど、史上初「6冠」といタイトルを獲得!

早速読んでみました。
表紙はかなりきついので、手に取りにくいのですが、
読み始めたら先が気になって止まりませんでした。

アレックス

道行く男たちが振り返るほど美しい女性・アレックス。
その日も、きらびやかなウイッグを見て歩いていた。
ところが、不気味な視線を感じる・・・・。
気のせいか・・・そういえば近頃よく感じる視線・・・。
大丈夫。何でもない・・。
自分に言いきかせるアレックスだったが、突然、男に襲われた。
身体のあちこちを殴られ気を失ったアレックス。
気が付くとそこは寒々しい無人の倉庫だった。
そして顔をあげると醜い男が無表情で立っていた。
アレックスは自分がなぜこんな酷い目にあうのか?
その男に問かかけるが、答えは暴力!
そのうち、男に全裸になれと命令され、窮屈極まりない檻の
ようなものに閉じ込められた・・・・。
そしてまたもや男に問いかける。やがて男は言った。
「おまえがくたばるのが見たいからだ。」

一方、警察に「女性が誘拐された」との通報が入った。
最愛の妻を誘拐、惨殺された過去を持つ刑事・カミーユは
女性の誘拐事件と聞き、うろたえる・・・。
PTSDでまだまだそんな凶悪事件とは向き合えないカミーユであったが、
同僚たちの説得もあり、嫌々ながらも捜査に加わる。
女性誘拐の目撃者もいたが、要領を得ず誘拐された女性の身元は
杳として知れない。
だが、あることがきっかけで女性の身元に手がかりが・・・・。

POPには「101ページから先は誰にも話さないでください。」と
謳われている。確かにここまで書くのが精一杯。
しかし、この後から凄い展開になるのだ。

孤独な女性アレックスの壮絶な秘密が明かされると
その後の物語は読者が「なんだそういうことか!」と納得
する間もなく、またまた予想外の展開に転がる!
そう、まるでジェットコースターのような展開に
翻弄されることになるのだ。

アレックスの強烈な人生もさることながら、
刑事たちの人生も描かれ、ヒューマンドラマな
テイストもプラス。
ミステリーの展開と共に彼らの物語からも目が離せない!

今まで読んだ事のない感覚!
強烈な印象!!!
強烈な面白さに絶句すること間違いなし!!

ミステリーランキング6冠にふさわしい‘超’衝撃と驚愕の
サスペンスミステリー。

『その女アレックス』
著者:ピエール・ルメートル 橘明美(訳)
出版社:文藝春秋(文庫)
価格:¥860(税別)