ゾクリとさせる・・・。ミステリー話題独占!「満願」

米澤穂信「満願」・・・。
山本周五郎賞受賞!
「このミステリーがすごい2015年版」国内編1位!
「週刊文春2014年ミステリーベスト10」国内編1位!
「ミステリが読みたい2015年版」国内編1位!
など、今年の国内のミステリー界を席巻!!

ということで「満願」読みました!!
6つの短編からなるホラーとミステリー。

なんて!面白い短編なんだ!
短編なのに長編を読んだかのような満足感!
短さのなかにも、人間の心の闇のようなものが
しっかりと描かれていて不気味な怖さを感じた。

満願

交番勤務の警察官が新人教育において悩んだ末に起きる事件。「夜警」

別れた恋人が見つかった先は、自殺名所の旅館。
そこを訪ねると、見違えるほど元気になった恋人の姿が。しかし・・「死人宿」

娘二人の倖せのために、イケメンで優しいだけの夫と離婚を決意した美しい女性。
だが、親権をめぐって思わぬ方向に・・・女性の心理を鋭く突いた「柘榴」

海外で資源の発掘に燃える一人の男。発展途上国での発掘で順調に業績を
伸ばしてきたが、ある村で思わぬ反発を食らう。そこで男が犯した罪とは?「万灯」

都市伝説の取材を依頼されたライターは、事故が多発するという峠に向かった。
その峠には、古ぼけて、老婆が一人切り盛りする食堂があった。ライターは
そこで、事件について取材することに・・・「関守」

学生時代に世話になった下宿先の奥さんが、殺人事件で起訴された。
弁護士になって最初の事件はこの奥さんの弁護だった。司法試験の猛勉強中、
落ち込んでいるとき常に励ましてくれた人だ。精一杯の事をしたと
弁護士は思ったが・・・ぬぐい切れない疑問が残った・・・「満願」

「夜警」「満願」は練りに練られたミステリー。
後の作品は、人間の心の奥に潜む闇の部分を浮き彫りにした
サイコホラー。どれも最後の最後にしてやられる・・・。
そして行間から漂う負の感情にゾクリとさせられる・・・。

今年最高のミステリーの傑作短編集!

『満願』
著者:米澤穂信
出版社:新潮社
価格:¥1,600(税別)