ついに完結!「警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結 シュラ」

「警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結」シリーズ。
「フェイスレス」「スカイハイ」「ネメシス」そして完結編
「シュラ」。
やっと完結編を読みました。

「ネメシス」で美結の家族を惨殺した犯人がわかる。
美結は警察手帳を残し、復讐の鬼と化し家族の敵を葬る決心をする。

シュラ

小西巡査は、世界的ハッカー‘C’を逮捕、連行した。
‘C’の制裁リストの筆頭に載る田中。‘C’は彼を殺すべきだと
主張。しかし、佐々木忠輔は殺人はさらなる殺人、闘いしか生まない
と‘C’を説得しようとする。
水瀬警視正、吉岡警部補らは、田中の世界支配を止めるために
‘C’に協力を煽ぐ・・・。

そんな中、田中の信奉者が警察内部にも潜んでいた・・。
田中の邪魔者を抹殺するために新たな罠を仕掛けていた。

美結に絶対に復讐をさせてはいけないと、
佐々木忠輔は一人、警察を抜け出し美結を探す。
やっとの思いで探し出した美結は、すでに忠輔の
知らない恐ろしいまでの負のオーラに包まれていた。
何とか美結を止めようと必死に説得する忠輔だったが・・・。

また、小西と美結の同期でSATの戸部梓も
美結に復讐させまいと、美結の居所をつきとめた。

そして、水瀬警視正たちは、田中を逮捕するために、
世界が驚愕する最後の隠し玉の準備をしていた・・・・。

彼らの政治生命、そして命をかけた一世一代の
大勝負が、今始まる・・・。
その瞬間に日本警察、いや、日本は全世界を敵に
まわすことになるのだ・・・。

「フェイスレス」「スカイハイ」「ネメシス」
これらの作品に張り巡らされた、謎と伏線が
「シュラ」で全て回収される。
その爽快感はたまらない!
また、このシリーズで常に問われていた、「正義」。
「正義」とは一体何なのか?
著者の想いは佐々木忠輔の言葉を借りて訴えかけられる。

今までの警察小説は全く異なる、奥深いテーマで描かれた
新感覚の警察小説、ついに完結!!

『警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結 シュラ』
著者:沢村鐡
出版社:中央公論新社(文庫)
価格:¥720(税別)