クーンツの‘超’傑作!「ライト二ング」!

「一気読み不可避!」という帯のあおり文句につられ、
思わず買ってしまったD・R・クーンツの「ライト二ング」。
1990年代の海外ミステリーで、クーンツが輝きを放っていた頃の作品。
はまさき、クーンツは「ファントム」くらしか読んだ事がなく、
ホラーテイストのイメージが強かったのでしばらく読んでいなかったが
この作品、めちゃめちゃ面白い!
仕事をしていなかったら、多分徹夜で読んでしまっただろうと思う。

ライト二ング

不幸な生い立ちながら、ベストセラー作家になったローラ。
彼女は幼いころから不思議な体験をした。
母親は、ローラを生むとすぐに亡くなる。
父親は小さな雑貨店を営み、一人娘のローラを愛し大切に育てた。
ローラが七歳くらいの頃、店にジャンキーがやってきた。
父娘は危機に陥るが、そのとき稲妻と雷鳴と共に
謎の男が彼女らを救いに現れた・・・。
そして、ローラが12歳の時父親が病気で亡くなった。
一人残されたローラはマキルロイ・ホームという養護施設に
預けられた。
そこで双子の少女たちと運命的な出会いを果たす。
だが、ローラの美しさに引き寄せられた、施設の用務員・ウナギに
付け回される・・・。
その時、またもや雷鳴と稲妻と共に謎の男が現れローラを救う。
その後ローラは順調に成長し、ダニーという愛する男性と出逢い
作家となる決心をする。

ローラを救う謎の男は「守護の使い」。ローラはそう認識していた。
そして、陰でローラにつきまとう、恐ろしい男・ココシュカ。
彼らはいったい何者なのか?
守護の使いの正体は?
なぜ、ローラは命を狙われるのか?

ローラの成長と共に、彼らの正体が徐々に判明してゆく。
謎の男が現れるシーンでは、最初はほとんど情報がない。
敵なのか味方なのか?それすらもわからない。
だが次第に、謎の男の正体は読者はもしかして・・・タイムトラベラーでは?
とわかるように小道具がどんどん表に出てくるのだ。
その加減が絶妙で、読者の心をくすぐる。先へ先へと読みたくなるのだ。

執拗にローラを追う暗殺者たち。
一人息子のクリスとともに逃亡の決意をしたローラの運命は?
そして謎の男・守護の使いとの関係はどうなる!?

ロマンチックでありながら、残酷!そしてドキドキ・ハラハラの
展開はページを捲る手が止まらない!
刊行後20年以上経過しても、斬新さ、その面白さは変わらない!
海外エンターティメントの傑作!

『ライト二ング』
著者:ディーン・R・クーンツ/野村芳夫(訳)
出版社:文藝春秋(文庫)
価格:¥990(税別)