凄い!ミステリー短編集!『御手洗潔の挨拶』

先日、テレビドラマで放送された「天才探偵ミタライ」を
視て、すっかり御手洗潔が好きになったはまさき。

ミステリーが大好きと言いながら、
なかなか読んでこなかった「御手洗潔」シリーズ。

本格推理小説好きの方から入門用はこれです!
と紹介されたのが、「御手洗潔の挨拶」
短編集なので、読みやすく非情に面白かったです。

御手洗潔の挨拶

ある工場の社長が仕事場の隅のソファで殺害された。
犯人の目星はついているが、「数字錠」の壁が立ちふさがり
逮捕出来ないと言う。殺害現場である仕事場は内側からカギを
かけてあり、この仕事場へは数字錠がかかった横の通用口
からでないと入れない。さらに数字錠を解除できるのは
殺害された社長のみ・・・。「数字錠」

嵐の夜、マンションの11階から姿を消した男が、十三分後
走る電車に飛び込んで死ぬ。しかしその場所へは全力疾走
しても辿りつけない距離!そしてその首には絞殺の
痕もついていた!!「疾走する死者」

宝くじの当選番号を調べていた新聞記者の前に、
「紫電改研究保存会」の会長と名乗る男が
現れた。会ったこともない男だった。だが、
「紫電改」引き上げの時にクレーン船に
取材のセスナ機ぶつかり、操縦士が亡くなった
事件を持ち出してきた。そしてなぜかその男に封筒の宛名書き
をさせられた。さらにその後「ピサの斜塔救済員会」から
御礼状が届いた。いったい何が何やらさっぱりわからない・・。
「紫電改研究保存会」

御手洗の知り合いで富豪の青葉という男の息子が誘拐された!
誘拐事件に絡んだ、たこ焼き屋消失と青葉家の愛犬殺害!
さらに消失した店舗跡から見つかった妙な暗号・・・。
「ギリシャの犬」

奇想天外で不可解、複雑極まりない事件を、
御手洗潔が論理立てて解明してゆく・・・。
読んでいるときは、何がどうなって事件が起こり
どのように進んでいるのかさっぱりわからない。
物語の中でも、読者と同じようにいつも
おいてきぼりを食らっているのは
相棒の石岡(小説家)と竹腰刑事だ・・・。
この二人の感覚こそ、読者の目線。

だが、複雑極まりない事件が見事に解決されると
すっきり!なんだそういうことだったのか!!
この爽快感は何!?

特にこの短編集で衝撃的な展開だったのは、
「疾走する死者」「紫電改研究保存会」
ものすごく面白く、謎の解明後はすっきり!
「数字錠」は御手洗潔の人間味あふれる姿が
垣間見えてとても良かった!

これから続けて読むのが物凄く楽しみになるシリーズ!

『御手洗潔の挨拶』
著者:島田荘司
出版社:講談社(文庫)
価格:¥590(税別)