背筋が凍る!御手洗潔シリーズ「暗闇坂の人喰いの木」

700ページ近い大作「暗闇坂の人喰いの木」。
長さを全く感じさせない面白さ。
さらに日本独特の恐さを感じさせ、いっきに読んでしまいました。

御手洗シリーズは順を追って読むのが一番良いのでしょうが、
『御手洗が珍しく恐怖にふるえた・・』という裏表紙の
紹介文を読んで手に取ってしまいました。

とにかく、怖くてものすごく面白かった。

暗闇坂

さらし首の名所の暗闇坂に、樹齢2千年の楠の巨木がある。
昔からこの巨木には恐ろしい伝説があった。
この巨木が次々に人を呑みこんだというのだ。

イギリスの田舎町で起こった少女消失事件・・。
これは本当にあったことなのか?

昭和16年日本、戦争の色がいよいよ濃くなってきたある日、
妹を置いて、友達と遊んでいた照夫は、家に帰ると妹が
行方不明になっていると大騒ぎになっていた。
自分のせいかも・・と悩む照夫。
そして妹は、凄惨な姿で発見される!?

1984年9月、台風が過ぎ去った暗闇坂。
玩具屋の主人が、坂の上にある藤波家の屋根の上に不審なものを発見した。
なんと人が屋根にまたがった格好で座っていたのだ。
だが動く気配がない。
しばらくすると、近所の人たちも騒ぎ出した!
屋根のそれは、藤並家の長男・卓の変死体だった!

事件の記事を読んでいた、御手洗潔はこの事件に興味を持ち、
石岡の伝手を頼って藤並家に入り込み、事件の調査を始めるのだった・・・。

恐ろしい巨木伝説、この大楠にはいったいどんな謎が隠されているのか?
調査が進行するにつれ、人間の恐ろしさがひしひしと伝わってくる・・。
さらに続く、およそ信じがたい怪事件の数々・・・・。
御手洗は容赦なく暴こうとするが、真相に迫る御手洗も恐怖に
ふるえるほど事件は凄惨を極めた・・・・。

巨木の不気味さと恐ろしさに背筋が凍る・・・。
そして凄惨な事件に驚愕!真相を知ればその恐ろしさに
絶句する!

ホラー色が濃い作品ですが、超おススメです!

『暗闇坂の人喰いの木』
著者:島田荘司
出版社:講談社
価格:¥980(税別)