今野敏、初めて読むならこれ!!『蓬莱』

今野敏先生の「蓬莱」はめちゃめちゃ面白い警察小説です。

ハルキ文庫から発売されている「安積班」シリーズの
番外編ととらえて良いのかな?

神南署時代の安積班が殺人事件を捜査する警察ミステリー。
この作品はいつもの「安積班」よりミステリー性が高く、
警察小説としても、ミステリー小説としても楽しめる作品。

蓬莱

制作スタッフすらその攻略にはまってしまうゲームソフト「蓬莱」。
パソコン用に開発した途端大ブレイク、さらにスーパーファミコン版を
開発し販売しようとしたところ、そのゲーム会社の社長・渡瀬は何者かに
襲われ、ファミコン用に開発したゲームソフト「蓬莱」の販売を
中止しろと恫喝された。
早速、警察に連絡。神南署の安積刑事が事情を聴きにやってきた。
渡瀬は事情を話すが、安積刑事の「調べて見ます」という
通り一遍の言葉に少々落胆。
だが、なじみの弁護士にそのことを話すと、弁護士は安積についてこういった。
「安積刑事がやると言ったら必ずやってくれるよ!」と・・・。
ゲームソフト「蓬莱」の販売が近づいたころ、ソフトの開発者が殺害された!

「蓬莱」。そのゲームソフトには「日本」が封印されている!?
古代の日本を想定した土地で国造りのゲームをするという構成の
裏に何が隠されているのか?
いったい誰が、なぜその販売を阻止しようとするのか?
安積警部補以下、安積班の面々が徐々に真相を明らかにしてゆくのだ。

秦の時代の徐福伝説や、古代日本論、果ては日本人論まで繰り出す!
今野先生の博識ぶりが凄いです。

バーチャルゲームと伝奇世界がリアルな警察小説と見事に融合!

約20年前に描かれたとは思えない面白さ!こんなに面白い警察小説は読んだ事が無い!?
今野敏、初めて読むならこれ!と言っても過言ではありません!
はまさき、超押しの一冊です。

『蓬莱』
著者:今野敏
出版社:講談社(文庫)
価格:¥700(税別)