今回も、はまさきにとって、超!難解なミステリーでした。
島田荘司先生の「斜め屋敷の犯罪」。
北海道最北端の宗谷岬の高台に斜めに建つ館、その名も「流水館」。
奇妙なこの館では毎年クリスマスパーティーが催される。
館の主でありパーティーの主催者は、ハマー・ディーゼル会長の浜本幸三郎。
そして娘の英子。館で働いている早川夫妻とコックの梶原だ。
招待されたのは、キクオカ・ベアリング社長の菊岡栄吉とその秘書兼愛人・クミ。
そしてお抱え運転手・上田一哉。
キクオカ・ベアリング重役の金井道男とその妻、初枝。
英子のボーイフレンドである、日下瞬、戸飼正樹、幸三郎の兄の孫・
浜本嘉彦。
パーティーの最中、日下はサロンから庭に出入りできるガラス戸のところに
妙な棒が一本立っているのを発見する。
日下は気になったが、主人の浜本が皆を塔に案内すると言い出したことで
奇妙な棒のことは忘れてしまった。
浜本が案内した塔から見えたのは、奇妙な花壇の模様だった。
その深夜、クミの部屋を不気味な男が覗くという事件が起こった。
翌朝、雪の上に死体のようなものが倒れていた。だがよく見ると
それは人形だった。頭が無く手足がバラバラにされ捨て置かれていた。
さらに、菊岡のお抱え運転手・上田が姿を現さない。
不審に思った浜本他招待客たちは、上田の部屋に行った。
上田の部屋は内側からロックがかけられ容易には開かない。
部屋を蹴破り中へ入ってゆくと、そこには奇妙な姿をした上田の死体があった・・・。
この不可思議な密室殺人が、恐ろしい連続殺人事件の始まりだった。
北海道警察の札幌署からやってきた、牛越警部補ほか刑事たちは、
この大胆かつ奇妙キテレツな殺人事件を解決することが出来ない。
仕方なく、東京の警視庁に事件解決のための支援を求めた。
そしてやってきたのは、占い師を名乗る、御手洗潔という男だった。
次々と起こる密室殺人事件、読んでいても謎一つ解けない。
無能な刑事たちと館の面々のたいくつな討論会と大胆な殺人事件。
そして集まった人間たちの秘密の暴露と、邪悪な心。
こんな魑魅魍魎が集まった中で、御手洗は御手洗の仕事をする。
名探偵・御手洗潔も悩みに悩んで放り出しそうになった難事件中の難事件。
見事解いてみせる、御手洗の凄さに感服!
『斜め屋敷の犯罪』
著者:島田荘司
出版社:講談社(文庫)
価格:¥619(税別)