「特捜部Q Pからのメッセージ」にはまる!

デンマークの人気警察小説シリーズ
『特捜部Q Pからのメッセージ』(ユッシ・エーズラ・オールスン)
を読みました。
「檻の中の女」「キジ殺し」に続く第3弾。
とても面白かったです!

Pから上

Pから下

「特捜部Q」とは、未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新設部署だ。
その部署の責任者は、事件に巻き込まれ銃撃された、PTSDを患う
警部補、カール・マークだ。部下は少しオタク気のあるアサド。
だがその風貌に似あわず、優秀だ。そして紅一点のローセ。
以上の3人で事件を再調査している。
今回、彼らにまわってきた未解決事件は、海辺に流れ着いた
ボトルメールの謎だった。
そのボトルメールは、ビンに収められたまま何年間も海中にあり、
引き揚げられてからもすっかり忘れ去られていた。
だがスコットランド警察からはるばる特捜部Qへとその手紙が届いた時、
捜査の歯車が動き出す。手紙の冒頭には悲痛な叫びが記されていたのだ。
「助けて」・・・しかもその文字は血で書いたように見える。
家庭問題も抱え、いまひとつ乗り気でないカールをよそに、
二人の助手アサドとローセは判読不明のメッセージに取り組む。
やがておぼろげながら、恐るべき犯罪の存在が明らかに…。

物語は、捜査の状況と、犯人の目線が交互に描かれている。
完全犯罪をもくろむ犯人の異常性、その異常性が育まれる過程。
さらに、犯人と妻の関係性。
その件を読むだけでも、犯人の残虐性が伺い知れる。
己の欲望と、過去への復讐のために繰り返される犯罪。
そしてその犯罪に巻き込まれ、命を落とす子どもたち・・・。

あのボトルの中のメッセージが届かなければこの残虐な事件はもっと
続いたであろう・・・・。
しかし、カール、アサドとローセ、そしてその姉ユアサは
確実に犯人に迫ってゆく・・・・。

クライマックスは最後の最後まで、ハラハラし通し!
もういいかげんに決着つけてくれって言いたくなるくらい!
ほんと!心臓によくないわ!この作品と・・・
文句が言いたくなるくらいな展開!
終わって心底安心した作品って凄い!

『特捜部Q Pからのメッセージ 上下』
著者:ユッシ・エーズラ・オールスン/吉田薫・福原美穂子訳
出版社:早川書房(ハヤカワ文庫)
価格:上下巻各¥800(税別)