八雲シリーズ外伝「裁きの塔」晴香がピンチに!

心霊探偵八雲シリーズの外伝「ANOTHER FILES」の新刊「裁きの塔」を
読みました!

もう信じられない展開で、ちょっと悲しくなってしまいました。

八雲裁きの塔

八雲や晴香が通う大学の中心にそびえたつ時計塔。
その最上部の小部屋にある鏡に祈りをささげると
死者と再会できるという伝説があった。
晴香は友人の花苗から心霊現象の相談を持ちかけられ、
八雲にそのことを相談していた。

片や、土方真琴はその大学の学生が小説の新人賞を
とったことで取材に来ていた。
小説は大学の時計塔をテーマにしたものらしく
「時計塔の亡霊」というタイトルだった。
だが、それを描いた大学生は、小説は自分が描いたのではなく
時計塔の幽霊に描かされたと言った。

そんな時、後藤刑事と石井刑事は、ある事件の現場に
来ていた。そこには血だまりのようなものがあり、
悪質ないたずらと思われた。

晴香は、花苗から相談された心霊現象を
調べるために、八雲と時計塔に来ていた。
だが、突然、殺人事件の容疑者として
捕えられてしまう!

晴香の無実を信じる八雲たちだったが、
晴香が自供したと伝えられ、さらに捜査班から動かぬ証拠を
突きつけられてしまう!

晴香の絶体絶命のピンチを八雲たちは救えるのか!?

人は何をもって人を信じることが出来るのか?
無条件に晴香を信じる後藤と石井に八雲が問う。
八雲の心の中では、晴香を信じたいと必死になる自分と
もしかしたら・・・?という疑念が渦巻き葛藤していた。
八雲には珍しく、事件の謎を解くことへの恐ろしさ、
さらに焦燥と言うものが伺えて、後藤は常になく
八雲につらく当たる。
この切な過ぎる展開と、クライマックスに明かされる
事件の真実はありえないくらいに衝撃的だ!!
真に裁かれるのは一体誰なのか!?

怒涛の展開に我を忘れる面白さだ。

『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 裁きの塔』
著者:神永学
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥600(税別)