第18回カラコロ夕刻読書会 レポート

10月14日(土)午後7時半より、閉店後の今井書店殿町店にて「第18回カラコロ夕刻読書会」を行いました。
男性4人、女性3人の計7人の方がご参加。
今回のテーマは「芸術の秋だからこそおススメの本」。

毎回参加してくれている男性がおもむろに出してくれたラスク。
そのパックは林明子の「はじめてのおつかい」の表紙イラストに描かれている牛乳パックでした。
林明子の原画展会場で販売されていたそうです。
皆さんそのパックにちょっと興奮気味。
中身のラスクは参加者みんなで美味しくいただきました!

その後に見たこともないオブジェ?が登場。
なんと「明和電機」という名でユニットを組んでいる方たちの作品。
「明和電機」は中小電機メーカーのような芸術ユニット。
作品制作、舞台活動もやっているとのこと。
オブジェは魚の電気コードでした。面白い!
紹介してくれたのは、「明和電機」大好き女性です。
さらに彼女はフォトジャーナリスト「アンリ・カルティエ・ブレッソン」の写真集(展示会の目録)「決定的瞬間」も紹介してくれました。
1950年代頃の世界を映したセピア色の写真は、芸術的価値が高いと写真好きの男性が脇から目を輝かせて説明してくれました。

前回のこの会でも紹介された、JC「鬼滅の刃」。
完全にそのコミックの虜になっている女性が、またまた魅力を紹介。
鬼の恐ろしさや絶望という暗い物語の中でも、コミカルなシーンが絶妙なバランスで描かれているとのこと。
「鬼滅の刃」を布教するそうです。
女子人気が高いらしい。

次に、いつも本の選書が独特な男性が紹介してくれたのは、ファイドン社「美術の物語」エルンスト・H・ゴンブリッチ著。
著者は美術史家。とにかく内容を紹介する文章が素晴らしいと絶賛。
同じ著者で中央公論新社(文庫版)「若い読者のための世界史上・下」もあります。
これもわかりやすいそうです。
他に創元社「西洋美術の歴史」も面白かったとのこと。
日本語についての本にも興味を持ったそうで、東邦出版「日本の大和言葉を美しく話す」高橋こうじ著を紹介。
昭和の言葉の響きが良いとのこと。
NHKテキスト「歌は、女は」は短歌が収録されていて、その中の一つ「未曾有という言葉を知った春の日にひっそり祝った16のバースデー」に心を揺さぶられたそうです。
その詩に感動した参加者女性二人からの注文を頂きました。
日本経済新聞出版「庭園日本-足立美術館をつくった男」足立全康著。
地元の人ですが、凄いですと一言。

芸術に特化した島について語ってくれた男性は、「Naoshima insight guide」講談社を紹介。
瀬戸内海に浮かぶ小さな島「直島」の芸術的でおしゃれな魅力がたっぷりと詰まっていて、街全体をアートにしたという強いメッセージが伝わってきたそうです。
直島にも行きとても面白かったという感想。
また、徳島にある「大塚国際美術館」にも行き感激!
絵画から彫刻が時代順に並び、まるで巨大な世界史の資料集を見ているようだった、みなさんもぜひ行かれると良いですよ!とアドバイスを頂きました。
他に「西洋絵画300選」も紹介して頂きました。絵画には深い意味があると納得されたそうです。

「アンリ・カルティエ・ブレッソン」の写真集に食いついた男性は、「松江市誌11巻」を紹介。
地図(伊能図)、絵図が良い!とのことです。
さらに最近はまったCDを紹介。東儀秀樹「HICHIRIKI CAFE」です。
ジャズのスタンダードナンバーや人気のPOPS(君の名は等)を雅楽に使う篳篥(ひちりき)で演奏していて、その音に日々癒されているそうです。

最後は、今井書店スタッフです。
先日発売された、角川春樹事務所「フェルメールの街」櫻部由美子著を紹介。芸術の秋ぴったりの作品。
若きフェルメールの友情と恋が描かれ、さらにミステリアスな事件の謎を解いた作品。面白かったです。
デビュー作「シンデレラの告白」の著者です。

芸術しばりの会だったのですが、思わぬ素晴らしい本の数々が紹介され、とても面白くて充実した会でした。
皆さんの読書の世界を垣間見ることが出来て良かったです。

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