第46回内田樹読書会レポート

2月23日(木)に第46回内田樹読書会を行いました。
課題図書は最近話題の本、岡本裕一朗さんの「いま世界の哲学者が考えていること」(ダイヤモンド社)
帯にあった、‘「哲学=人生論」と思っているのは日本人だけ’というフレーズに惹かれ、哲学者たちが考えていることを知りたいという思いから男性6人、女性4人、合計10人でひも解いてゆきました。

★課題図書 岡本裕一朗『いま 世界の哲学者が 考えていること』(ダイヤモンド社)¥1,600(税別)

それではトピックスです。

★第1章について、これまでの哲学の系統を語っている。
ポストモダン以降の「言語論的転回」、「実在論的転回」「自然主義的転回」。転回とは今までの考え方から180°転換すること。
・実在論・・・。普通の感覚としては当たり前のこと、哲学者はなぜ難しく考える?
・系統がわからない⇒日本実業出版社『学問のしくみ事典』が参考になる。

★第2章 IT革命は人類に何をもたらすのか?
・スマホなどのIT機器は、「書き、読み、記録するための機械」と述べ、さらにそれを「ドキュメント性」と呼んでいる(フェラーリス)WEB上に記録した様々なものは消滅せずに生き残ってしまう。個人の痕跡が消せないという恐怖。
・ずっと監視されている社会?
・世界2大IT企業の野望。何故管理する方向に行くのか?影響力を手にしたいから。データは儲かる。大富豪の数%が国家と手を組んで監視社会を作るのか?それは人間の根本的欲望なのか?
・情報が残るならノイズで埋めるっていう話だと思う。
・ところでツイッターやっているの?どういう風につぶやく?
・壁に向かって独り言をいっている感覚、たまった鬱憤をはらすツール?あるいは情報収集のツールかな。(都会では列車遅延情報とか、災害時の情報収集。でもデマは怖い。)
・「いいね」が欲しい人はどういう心理か?噂話を共有する楽しみとか、共通の趣味の人と交流するとか。承認欲求もあると思う。
・アカウントを使い分ける、プラットフォームを使いわける。「LINE」は見やすい。
・「LINE」のグループ機能は、良い面もあり悪い面もあると思う。

★第3章 バイオテクノロジーは「人間」をどこへ導くのか?
・AIによって、知的労働も駆逐されるかもしれない恐怖!!!医者も弁護士もAIにとって代わられるかも?アメリカでは、薬剤師の仕事をすでにAI行っている。人間はどんなに気を付けているつもりでも間違ってはいけないところで間違えるから。これはやった方が良いと思う。人間ゆえのチェックの甘さ。
・将棋や囲碁の世界はすでにAIによって浸食されている。恐ろしくなる。そのうち名人がAIになる可能性も否定できない。
・人間の定義は何?クローン人間という考えはどこからきた?
・動物と人間の違いは先の事を考えるか?考えないか。何をもって人間なのか?わからない。悩む。
・ドラマにもなった、「わたしを離さないで」(カズオ・イシグロ著)。物語は、人間を救うために、クローンとして生まれてきた人間たちのドラマ。
・出来てしまうなら、科学者は絶対にやってみたくなってしまう。遺伝子段階で出来るとやっても良いは違う。
・現在は「体外受精」というが、30年前は「試験管ベビー」だった。当時はやはり倫理感を問われた。
・そういう面で、世界的生命倫理の元を作ったのは、哲学者だと言う話。
・映画「ガタカ」は人間の優性化をテーマに描いて、職業は細胞で決まり、生まれた時からコーディネイトされた社会。遺伝子レベルで職業が決まりさらにヒエラルキーがある。映画は面白かったけど、恐ろしくもあった。
・バイオテクノロジーの進化は、人間の定義をも変えるテクノロジーではないか?
・近未来、遺伝子から子どもを選択でき、人工子宮で母体は体のリスクを伴わずに出産できるようになるかも。
・コミック「風の谷のナウシカ」のナウシカほかの人間たちは、汚染された地球に適応するため、遺伝子操作で新たに作りだされた人類。凄く深い意味を持ったコミック。作品の中で一番人間らしいのは、巨神兵かも・・・・。
・寿命革命もすでに起きている。現代の医学においては120歳が限界だけど、いつか500歳とか・・。
・ⅰPS細胞の研究もどんどん進んでいる。延命はいくらでも出来るようになると書かれている。
・昔、平均寿命が短かったのは、5歳までに死ぬ人が多かったから。

★第6章 人類は地球を守らなくてはいけないのか
・P305の世界をよくするために何にお金を使うべきか?とても良い政策、良い政策、まあまあの政策、悪い政策に分類。地球環境に配慮した、京都議定書は悪い政策に入っている。
・伝染病の撲滅とか、緊急性の高い政策が良い政策としてあげられている。
・地球の資源はあと〇十年で無くなるって、ずいぶん前から社会科の教科書にのっているし、近いうちに水の奪い合いが始まるかもって言われてきているけど・・・。地球は温暖化とスノーボールアースとの繰り返しだから、直近の30年を心配しても意味ないのでは?

★第5章 人類が「宗教」を捨てることはありえないのか?
・宗教はよくわからない。宗教の話になると心を閉じてしまう。
・信じて救われるのなら信じても良いと思うが、きちんと説明できない。
・「神」の概念は人間が言葉を持った時、同時に生まれた。
・ところで、何かに祈る?祈らない?
・窮地に追い込まれたとき、無意識に祈っているのでは?多分みんなそうだと思う。
・「神」は存在するのではなく、人間が「神」という概念を必要としているのでは?

まとめ
世界の知の巨人たちが今考えていることはわかった。しかし、「こうなったらどうしようという」と言う方法論は書いていない。
でも「へえ~そうなんだ!!」と改めて気づかされる内容が多かった。
面白い内容が多く、考えさせられる内容だった。

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