第3回 「本の学校notice431読書会」レポート

3月18日(土)に第3回本の学校notice431読書会を行いました。
今回のテーマは『文庫Xの衝撃 おススメノンフィクション』です。
男性4人、女性1人計5人でおススメの本を紹介しました。
しかし・・・ノンフィクションの定義があいまいだった!
それが逆に良かったのか、興味深い本の紹介が多かったです!

★将棋やります!男性の紹介
※『聖の青春』大崎善生 (講談社文庫版¥695、青い鳥文庫版¥720、角川文庫版¥640 税別)
映画化。公開されたばかり。
難病により、わずか29歳で逝った棋士・村山聖9段の生涯を描いた作品。
病床で将棋と出会いその魅力にとりつかれ、ひたすら将棋を指し続けた結果、子どもの頃に大人も太刀打ちできない強さを得る。
森信雄7段に師事。羽生善治と互角に戦った。
村山の将棋はとても情熱あふれる強さを持っていた。将棋への信念を感じた作品。
森信雄7段との師弟愛は読んでいて泣けた。
将棋愛、師弟愛、命を削りひたすら将棋を愛した一人の青年の愛にあふれた作品。

※『第2図書係補佐』又吉直樹(幻冬舎文庫)¥495(税別)
お笑いコンビ・ピースの舞台のパンフレットに、又吉さんが読んだ本の紹介をしている。それを1冊まとめたもの。
カフカとか森見登美彦、太宰治など文豪から若手作家まで。
ライトな本の紹介の仕方が良い。紹介されている本を読んだが、間違いなかった。

★暗黒の時代に自分をはげましてくれた本です!男性の紹介
※『みんなのバイト時代』FromA編集部(太田出版)¥952(税別)
アルバイト情報誌FromAのインタビュー集。
有名人はどんなアルバイトをしてきたのか?自分と重ねて読んでしまう。
有名人の人のアルバイト事情がわかり面白い。仕事をしていてちょっとつらくなったときに読んでいます。
今のイケメン俳優さん(妻夫木くんとか・)もバイトをしていました・・・。

※『就職氷河期応援歌』西垣戸勝 論創社 ¥1,500(税別)
就職塾の講師。心に刺さる言葉がたくさんある。それが心の支えになった。
就活で負け続ける学生を励ます言葉、いかに自分をあげるか、感謝の言葉を持てなど。
面接の時いつも鞄に入れて読んでいた。

※『何でも見てやろう』小田実(講談社文庫)¥750(税別)
※『ユーラシア大陸自転車横断一万五千キロ』山尾一郎(山陰中央新報)¥1,524(税別)
上記の2冊は、担任の先生がおススメしてくれた本。
勇気を出して冒険に出かけなさいと背中を押された本。
この本をきっかけに海外を旅しました。

※『ミッキー安川のふうらい坊留学記』ミッキー安川(復刊ドットコム)¥1,800(税別)
ラジオのディスクジョッキーだった著者が若い時にアメリカに留学した。
当時日本人の留学は珍しいこと。
人種差別にも負けず頑張った著者の生き方が素晴らしい。

※『本の引っ越し』高橋英夫(筑摩書房)¥1900(税別)
著者は文芸評論家。自分の文体がしっかりある。
表現方法が良い、日常の見方が新鮮になる、感覚が少しずつ変わっていく感じがした。

※『エッセーの楽しみ』阿部昭(岩波書店)価格不明
著者は、ラジオ東京(現在のTBS)のディレクター、小説家。
著者のフィーリングが自分にぴったりと合ったと感じた。文章の持っている雰囲気が好き。
全集も持っていて、まだ読んでいないけれど、常に自分のそばに置いておきたいと思える。
気に入った文章はノートに書いています。文章をめいっぱい楽しむ自分なりの方法です。

★哲学が好きです。男性のおススメ
※『告白』アウグスティヌス (岩波文庫上下各¥1,200、中公文庫ⅠⅡⅢ各¥895 税別) 
アウグスティヌスはキリスト教の聖人。過去の自分の罪を告白し如何に神への信仰に目覚めたのか?という自伝。
読み終わって、「ずっとまじめにやっている人が一番えらいなあ」ということに気づかされる。
他の偉人ではガンディーも昔はやんちゃをしていた。『獄中からの手紙』ガンディー(岩波文庫)

★ミステリーの次に事件ルポが好き!な女性おススメ
※『桶川ストーカー殺人事件 遺言』清水潔(新潮文庫)¥670(税別)
写真週刊誌の記者だった著者が、この事件の被害者の友人から壮絶なストーカー被害の話を聞いて、その被害者と遺族のために事件の真相を明らかにしたルポ。
まったく動かない警察、ストーカー男性の恐ろしさ。読んでいて背筋が凍った。
著者は警察よりも先に殺害の実行犯を突き止めた。
この事件がきっかけとなりストーカー規制法が出来た。

※『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』清水潔 新潮文庫 ¥750(税別)
盛岡市・さわや書店文庫担当者さんの帯で「文庫X」として話題になった本。こちらも清水潔さんの事件ルポ。
著者は、足利市で起きた幼女誘拐殺人事件「足利事件」はこの連続幼女誘拐殺人事件の一つだと言っている。
足利事件で逮捕された容疑者は結局冤罪で17年間無実でありながら服役した。
真犯人を示す数々の目撃証言が何故か隠蔽されている。そのくだりを読むと疑問しか残らない。
一刻も早く真犯人を逮捕してほしいと願う。
この2冊、非常に読みやすい文章で事件のあらましがわかりやすい。

ノンフィクションとフィクションの狭間のような作品は数多くある。
実在の人物を小説仕立てで描いたものとか・・・・色々です。
今日も様々な気づきがありました。
一番の気づきは、「良い本には良い効果があり、人生に新たな発見や幸福をもたらしてくれる」ということ。

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