ぼぎわんの次に、「ずうのめ人形」が、来る!!?

「ぼぎわんが、来る」で第22回日本ホラー小説大賞を受賞した
澤村伊智さんの第2作目「ずうのめ人形」が発売されました!

「ぼぎわん」に登場する、ライター・野崎とその恋人で
霊能力者の真琴がこの作品にも登場するので、
シリーズになってゆくのではないかなと期待しているところです。

「ぼぎわん」が民俗伝承から生まれた怪物ならば
「ずうのめ人形」は都市伝説から生まれた怪物と言えそうです。

ずうのめ人形

オカルト雑誌でアルバイトしている藤間は、校了間際になっても
連絡が取れないライターの湯水を探すため、同僚の岩田とともに
湯水の自宅を訪ねた。だが二人はそこで湯水の死体を発見する。
その死体は顔中に「糸」のようなひっかき傷があり、自ら目を抉り
出したような状態だった。

その1週間後、湯水の葬儀の後、岩田が藤間に何かの原稿のコピーを
押し付けた。それは湯水の部屋に遺された手書きの原稿で、湯水の
死の原因はこの原稿にあると言った。
藤間はその原稿を半信半疑で読み始めた。

その原稿に描かれていたのは、「ずうのめ人形」という不気味な
都市伝説で、その原稿を読んでから藤間の周辺に顔中を「糸」で
覆われた喪服姿の人形が現れるようになる。
そして、原稿を押し付けた岩田も湯水と同じような姿で死んでしまう・・・。

「ずうのめ人形」の原稿を読んだ者が次々と亡くなっている。
その呪いは伝染するのか・・・・!?

藤間は自身への迫りくる怪異を防ぐために、湯水の後任のライター
である、野崎と彼の婚約者で霊能者の真琴に原稿の事を相談するのだが・・・。

「ずうのめ人形」の都市伝説の物語と、その原稿を読んだ者たちの
物語が交互に描かれていて、不気味さと緊張感が漂う。
都市伝説から生まれた「ずうのめ人形」の物語は‘ホンモノ’なのか?
怪異の元を断つことが出来るのか?

「ぼぎわん」も家族の隙間に入り込んでくる化物だったが、
この「ずうのめ」はそれ以外の全く関係のない人にまで呪いを
かけてしまう凄い奴!

さらに、「ぼぎわん」よりもミステリー性が高い。
絶妙なタイミングで張られる伏線。クライマックスでは
その張り巡らされた伏線が見事に回収され、さらなる
どんでん返しに‘超’驚かされることになる。

「ずうのめ人形」も最大の怖さで迫ってくる、‘超’面白怖い
ホラーミステリーだ。

『ずうのめ人形』
著者:澤村伊智
出版社:KADOKAWA
価格:¥1,650(税別)