大人気!「後宮の烏」第2弾『後宮の烏2』発売!

シリーズ化を期待していた、白川紺子さんの
『後宮の烏』(集英社オレンジ文庫)。
第2弾が発売されました。

嬉しい~~~~。

後宮の妃でありながら、決して帝とは情を交すことのない
特別な妃・烏妃。

しかし、ある事件がきっかけで、時の皇帝・高峻と
出会い、彼らは「友」となった。
高峻の周りでは、烏妃と会うなど不吉だと言う。
しかし、高峻はなぜか烏妃・寿雪と話をすると
心が癒されるのだった。

第2弾の内容は、少年宦官の幽鬼出現の謎、、
自殺した妃に仕えた宮女の幽鬼の訴え、
烏妃暗殺未遂、妃付宮女惨殺事件など、
烏妃・寿雪がその謎を暴く。

幽霊・ゾンビ・妖怪・謎の仮面など
次々と異形のものが現れる!

不気味で謎めいた事件の数々は、この物語の雰囲気に
ぴたりとあてはまり、他の後宮小説と比較して
異彩を放っている。それがこの作品の際立った魅力で
そこにはまってしまう。

また、烏妃・寿雪を気づかう皇帝・高峻のさりげない
優しさが胸キュンだ。
決して「恋」に発展させてはならない、二人の関係。

烏妃をしばる「烏漣娘娘(にゃんにゃん)」とは
何か?
そして、烏妃暗殺を目論んだ、烏漣娘娘が恐れる
「梟」とは何者か?

数多の謎を残し、物語第3弾に繋がるか!?

『後宮の烏 2』
著者:白川紺子
出版社:集英社(オレンジ文庫)
価格:¥620(税別)

慟哭の展開!羽州ぼろ鳶組シリーズ第4弾「鬼煙管」

羽州ぼろ鳶組シリーズ第4弾「鬼煙管」を読みました。
言葉に尽くせぬ面白さ!

京都で起こる奇怪な連続殺人を止めるため、
長谷川平蔵が最も信頼する、江戸の火消し、
松永源吾を京都に呼んだ。
松永は武蔵、星十郎とともに京都に赴く。

その京都では、葬儀の最中に死体から発火し
火事になったり、生身の人間から突如火が発生し、
大やけどを負い死んでしまう!という事件が
次々と起きていた。

京の人たちは「妖怪」の仕業だと言い、誰も
近寄らず、助けようとしない。
江戸とはあまりにも違う民衆心理に、松永たちは
とまどうばかり。

さらに、長谷川平蔵も京都の奉行所のあり方に
憤りつつ、その中でも必死に己の職を全うしようと
していた。そんな長谷川の姿に部下たちの心も動く。

奇怪な事件の犯人を捕らえようと必死に動く平蔵。
不気味な火事をとめるために、松永らは奔走する。
やがて、浮かびあがってきた犯人像。
だが、その陰には京都西町奉行の長谷川でさえ
手出しすることの出来ない大物の存在があった。

哀しい過去を持つ平蔵の息子・銕三郎は、悪を絶対に
許すことは出来ない。その想いが先走って、父・平蔵や
松永とも衝突することがしばしばあった。

京で繰り広げられる不気味な火付と殺人事件を、
松永・平蔵親子・武蔵、星十郎が追う!

シリーズ史上最もミステリー性が高い作品で
謎解きの部分もとても面白かった!
そして、2巻「夜哭鳥」との繋がりも興味深い。

次は第5巻を読みます。

『鬼煙管 羽州ぼろ鳶組④』
著者:今村翔吾
出版社:祥伝社(文庫)
価格:¥700(税別)

残虐非道盗賊VS.ぼろ鳶組!シリーズ第3弾『九紋龍』

大好きなシリーズ、「羽州ぼろ鳶組」第3弾は
「九紋龍」です。最強の男が登場します。

大阪で悪辣な強盗を追いつめるため、火付盗賊改の
長谷川平蔵は、京都から大阪へ出張っていた。
だが彼らは平蔵の動きを察知、江戸へと向かった。

江戸では、火事と非道な押込み強盗が続けて起こっていた。
その奇妙な偶然に、星十郎らは火事を起こし、その隙に
皆殺しの押し込み強盗を働いているのではと疑う。
長谷川平蔵が負っていたのは、その残虐非道な強盗集団・
千羽一家だった。

そんな中、新庄藩火消・通称〝ぼろ鳶〟組頭・松永源吾は
火付けを止めるべく奔走する。
だが藩主の親戚で、御連枝様こと戸沢正親は、国元の領民や
藩の財政事情から火消の削減を宣言。
正親の嫌がらせとしか思えないような態度に、松永は怒り心頭となる。

一方現場では、九頭の龍を躰に刻み、町火消最強と
恐れられる「に組」頭〝九紋龍〟こと辰一の乱入で
大混乱に陥っていた。
なんと辰一は野次馬狩りをおこなっていたのだ。
辰一はなぜそんなことをするのか?

次々と起こるピンチ!絶対的な危機に、どうなる!?ぼろ鳶組!

極悪な押込強盗軍団とぼろ鳶組の闘いに、新之助の剣が悪を斬る!

そして、九紋龍こと辰一の熱き火消魂が加わり、
怒涛の消火シーンは圧倒的な臨場感!

果たして千羽一家を捕えることが出来るのか?

ぼろ鳶組の支えは、松永源吾の妻、深雪だ。
今回の深雪の働きには舌を巻く。
また夫婦の間には新たな展開が!
強盗と火事・・・。すさまじい闘いのあとの心の癒しは
やはりこの二人のエピソード・・・。

巻を追うごとに面白さが増してゆく、羽州ぼろ鳶組シリーズ。
第4弾もほぼ読了!

『九紋龍 羽州ぼろ鳶組③』
著者:今村翔吾
出版社:祥伝社(文庫)
価格:¥700(税別)

小玉・文林、二人はどうなる!?「紅霞後宮物語 第零幕三 二人の過誤」

大好きなシリーズ、『紅霞後宮物語』シリーズ外伝
『紅霞後宮物語 第零幕』。若き日の小玉と文林の
物語ですが、第3巻目に突入。

武官として順調に昇進してゆく小玉。
新たな人たちとの出会い、初恋の人との
再会、愛する兄の死・・・。
小玉の環境はめまぐるしく変化していった。

そんな中、小玉と文林は上官と副官として
息が合い、良好な関係を保っていた。

しかし、小玉にまたも異動の辞令が下る。
行先は小玉の実家にも近い僻地だった。
それは、左遷ではないのか・・・?

小玉の突然の異動と、それが左遷であると知った
文林は、怒り狂って大酒を喰らってしまう。
一緒にいた小玉は、文林の怒りをなだめようと
するが、一緒になって飲んでしまう。

そして翌朝、二人は全く記憶のないまま同じ
寝台で目を覚ましてしまった・・・・!

あってはならない、上司と部下の過ち・・。

そのことがあってから、二人に関係は急激に変化し・・・。

小玉にとって、さらに試練が続く第3巻。
読んでいると切なくなってしまう。

このあと二人はどうなるのか?
早く続きが読みたくなる!

『紅霞後宮物語 第零幕 三、二人の過誤』
著者:雪村花菜
出版社:KADOKAWA(富士見L文庫)
価格:¥600(税別)

今野敏さんの本格的インテリジェンス小説「キンモクセイ」は緊張感が半端ない!

今野敏さん新刊「キンモクセイ」は本格インテリジェンス
警察小説ということで、ワクワクしながら読みました。

法務官僚の神谷道雄が殺された。

警察庁警備局の隼瀬は、神谷が日米合同委員会に関わって
いたことと“キンモクセイ”という謎の言葉を
残していたことを探り当てる。

そして、神谷殺害事件について専任捜査を命じられる
隼瀬だったが、警視庁は突如捜査本部を縮小、さらに
公安部も手を引くことになった。

やがて、隼瀬の協力者で後輩の岸本行雄の自殺死体が発見される!

コードネーム「キンモクセイ」をめぐる「闇」と
日米合同員会の不可解な動き、そして公安組織「ゼロ」の暗躍・・・。
一体何が起こっているのか?

隼瀬は、同僚の水木とともに事件の真相を探ろうとするが・・・・。
触れてはならない「なにか」に触れたことで追われる隼瀬。

誰を信じていいのかわからない。しかし自らの命を守るため、
何が出来るか?をつきつめ、命をかけて警察官として
正しいことを成そうとする、隼瀬の姿が胸を打つ。

隼瀬逃亡の過程は、ハラハラドキドキもので、
無事に事件が解決することだけを祈ってしまう。
また、警察官僚として隼瀬が成長し覚悟してゆく過程も素晴らしい。

緊張感MAX!手に汗握る
著者初の警察インテリジェンス小説!

『キンモクセイ』
著者:今野敏
出版社:朝日新聞出版
価格:¥1,600(税別)

傑作!ホラー短編集『などらきの首』

澤村伊智さんのホラー短編集『などらきの首』
は、霊媒師・比嘉姉妹シリーズ最新作。
「ゴカイノカイ」「学校は死の匂い」「居酒屋脳髄談義」
「悲鳴」「ファインダーの向こうに」「などらきの首」の
6編のホラー短編作品を収録。

どれも面白かったけれど、特に心に残ったのはこの3編。

父親から譲り受けた不動産で、「痛い、痛い」と謎の声
が聞こえる、さらに体に激痛が!その不動産の5階の
怪異現象に、人が居つかず。持ち主はなす術もない。
一体何が起きているのか?「ゴカイノカイ」

居酒屋で男どもが語る、「脳髄論」?
酒を飲みながら、男どもが偉そうに語っている。
いいかげん、うざいな~と思って読んでいたら
ラストで思い切りぶっとんだ!
思わずざま~みろ!でした・・・。「居酒屋脳髄談義」

祖父母の住む地域に伝わる「などらき」という化け物。
子どもの頃に意地悪な従弟に無理やり連れられ、
などらきの首が封印されているという洞窟に行った。
あるはずだった首は忽然と消えていた。高校になって
同級生の野崎と共に「首」消失の謎に挑むが・・・。
野崎初めての事件を描く!化け物の恐ろしさがひしひしと
伝わる・・・。怖かった。「などらきの首」

「学校は死の匂い」は小学校時代の比嘉姉妹が学校で続く
不気味な現象の謎を暴くというもの。
「悲鳴」はホラー映画にまつわる物語。
「ファインダーの向こうに」は心霊写真に絡めたちょっと
切なくなる物語。

どれも、背筋がす~っと冷たくなる感じ。
怖さの表現が上手すぎる!

真琴と野崎の出会い、琴子の学生時代などメインキャラクター
のエピソードが満載の短編集。

『などらきの首』
著者:澤村伊智
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥640(税別)

心に沁みる物語「ひとつむぎの手」

知念実希人さんの「ひとつむぎの手」(新潮社)を
読みました。
読んでる途中で何度も目頭が熱くなりました。

優秀な心臓外科医を目指す平良は、
常に患者やその家族を思い治療にあたっている。

医学部内の権力抗争に巻き込まれることなくただ愚直に働く姿は、
上司・同僚や後輩、患者、さらにその家族からも篤い信頼を得ている。
しかし夢の実現のために心臓外科手術が数多く出来る
病院の出向を心底願っていた….。

平良は、3人の研修医を心臓外科の医局に入れることが出来たら、
その病院への出向を考えても良いと言われた。
その下心を隠しつつ3人の研修医に接するが、
あっさりと見破られ侮られてしまう。

しかし、平良の真摯に患者に接する態度や、
教授に媚びることなく患者のための手術を選ぶ事ができる決断力、
緊急時の冷静な処置などを目の当たりにした研修医たちは、
やがて、平良に対し尊敬の念を抱くようになる。

だが、平良は、一人の後輩に激しい嫉妬心を抱いていた。

読んでいて、平良の気持ちは痛いほど伝わってくる。
認められ夢を実現させたいとの思いが叶うかどうかの
焦燥感、そして嫉妬心。

心に広がるどす黒い闇に、時に飲み込まれそうになる。
そんな心に勝てるのは、自分自身だ。
平良がそれを悟った時の清々しさは、まるで自分が経験したかの
ような感じがした。

ミステリーチックな展開もあるが、医者としての平良の生きかたや、
心の成長が描かれた、素晴らしいヒューマンドラマだ。

『ひとつむぎの手』
著者:知念実希人
出版社:新潮社
価格:¥1,400(税別)

新シリーズ始動!事件を呼ぶ男、ベテラン刑事・岩倉剛

大好きな「アナザーフェイス」シリーズが完結し、
ちょっとさびしい思いをしていたら、新シリーズ
始動です!
定年まであと10年のベテラン刑事・岩倉剛シリーズ。
渋い警察小説!ワクワクです。

定年まであと10年と迫った、ベテランの刑事、
岩倉剛は、捜査一課から南大田署へ異動になった。

上司は年下で元部下というベテランではありがちな
パターン。挨拶もそこそこに、同じ頃配属された
元交番勤務の女性刑事・伊東彩香を相棒に充てられ、
二人で管内を巡回、そこに独居老人が殺されたと
連絡が入った。

捜査本部のたつ重大な事件が起きないところを望んだ
はずだったのに・・・・。
岩倉が行く先々で事件が起きる!

伊東と二人で捜査に加わったところ、今度は
新聞記者の自殺が発覚する!
二つの事件に関連はあるのか?

プライベートに何かと問題を抱えた岩倉。
定年まであと10年というところで、心機一転、
所轄へと異動した。
そこで彼は後輩刑事に刑事のイロハを教える。
それを実地でこなしながら、事件解決に向けて動く。

暑苦しいイケイケの刑事が多い中、岩倉の
力みのない感じが良い!また後輩に気を遣う
ところなど、人間味あふれた岩倉の魅力に
はまってしまう。

今後、どんな事件を呼び込んでくるのか?
また、彼の突出した記憶力が事件解決にどう繋がるのか?
読むのが楽しみになる!

すでにシリーズ2作目が2019年3月に発売予定!

『ラストライン』
著者:堂場瞬一
出版社:文藝春秋(文庫)
価格:¥750(税別)

杉村三郎シリーズ最新刊『昨日がなければ明日もない』面白過ぎる!

宮部みゆきさんの「昨日がなければ明日もない」を読みました。
「誰か」「名もなき毒」「ペテロの葬列」「希望荘」と続く
杉村三郎シリーズ第5弾の最新作です。
何年か前に小泉孝太郎さん主演でドラマ化された作品。

巨大コンツエルン会長の娘婿・杉村三郎は、
劇的に人生が変わり、探偵事務所を開くことに。

この作品は、杉村が探偵になってすぐに転がりこんで
きた事件を描いた。
「ちょっと困った女たちVS探偵・杉村三郎」。
読み応えたっぷりの中編3作品が収められている。

嫁いだ娘と連絡が取れなくなり杉村に相談してきた初老の婦人。
調べてみると、とんでもなく嫌な事件に繋がってゆく。

杉村が借りている事務所兼住居の大家さん家族につきあって、
結婚式に出席するとそこで信じられない事件が勃発・・・。

大家さんの息子一号のお嫁さんのママ友に、
身勝手なことばり言う女性がいる。
その女性が杉村に困った相談をしてきた。
一号夫人から絶対に相談を受けるなと止めらていたが、
結局話を聞くはめになってしまった・・・・。

ここに登場する「困った女性たち」は身勝手な女性ばかりだ。
自分の利益しか考えない。
責任転嫁ばかりをした末に、次々と悲劇の連鎖を起こす。
自分のやったことがどういうことになるのか
想像すらできない女性たちだ。

自覚のない「悪意」が不幸をまき散らす。
救いようのない女性たち。
そんな女性たちを著者は淡々と描きだす。
読んでいると背筋がす~っと冷たくなってゆくが、
探偵・杉村の優しさと温かさがこのあまりにも悲劇的な
展開の中で唯一の救いとなっている。

面白過ぎていっき読みしてしまった。

『昨日がなければ明日もない』
著者:宮部みゆき
出版社:文藝春秋
価格:¥1,650(税別)

驚嘆!「密室」のトリックを暴く『密室蒐集家』

「アリバイ崩し承ります」で大山誠一郎さんの
作品にすっかりはまってしまい、「赤い博物館」と
その次に「密室蒐集家」を読みました。

凄い!「密室」トリックのオンパレード。
これを考え出した著者も凄い!

女学生がカーテンの隙間から音楽教師が射殺
されるのをを目撃する!
鍵のかかった教室から犯人はいかにして消え失せたのか?
「柳の園 1935年」

警察監視下の家で発見された高校生男女二人の死体。
他殺なのか?であれば、犯人はいかにして侵入し、
逃亡したのか?
「少年と少女の密室 1953年」

男女二人が目撃した落下する女性。
実は密室から落ちた死体だった!
「死者はなぜ落ちる 1965年」

密室に横たわっていた死体の胃に「鍵」が…?
「理由ありの密室 1985年」

病院で、女医が殺害された!嫌疑をかけられたのは、
自殺未遂し、その病院に入院していた女性。
しかし彼女は眠り続けていた。
「佳也子の屋根に雪ふりつむ 2001年」

警察の間では伝説となっている「密室蒐集家」。
解明困難な密室の事件が起こると、どこからともなく
現れて、密室のトリックを鮮やかに解いて煙にように
消える・・・・。
「密室蒐集家」という人物設定にまず度肝を抜かれる。

しかも「密室」という本格推理ファンには垂涎の
テーマ。どの作品のトリックも凡人にはおよそ
想像だに出来ない!

斬新なトリック、予想をはるかに超える犯人像。
それを「密室蒐集家」が論理的に分かりやすく
説いてゆく。
その解明の過程が非常に面白過ぎる!!

様々に仕掛けられた「密室」トリックを
これほど堪能できる作品はないかもしれない。

『密室蒐集家』
著者:大山誠一郎
出版社:文藝春秋(文庫)
価格:¥660(税別)