2018年の日本のミステリーランキング、
海外部門で4冠を達成した「カササギ殺人事件」。
読み終わった時、なんだかざわざわして鳥肌が
たってしまった。
凄い本に出会った時、私の体はそのように反応してしまう。
人気脚本家のアンソニー・ホロヴィッツが
「シャーロック・ホームズ」シリーズ
「007」シリーズ(いずれも財団公認)
以外で描いたオリジナルミステリー作品。
構想15年、面白いミステリーを描くぞ!という
著者の思いがすべて詰まっている!
上巻は、探偵・アティカス・ピントを主人公とした
クラシカルな展開と謎解き。アガサ・クリスティを
彷彿とさせる推理小説だ!
下巻は上巻の続きかと思いきや、読者は見事に騙される!
この設定!この展開に絶句する。
そして、絶句したままグイグイと読ませられる!!
ひとつの作品で二重の犯人当て(フーダニット)!
複雑にからみう人間関係は、人間の裏の貌を浮き彫りにしてゆく。
緻密に仕組まれた伏線の数々、そして暗号解読・・・。
アガサ・クリスティへのオマージュが炸裂だ!
こんなミステリー小説を今まで読んだ事がない。
アガサ・クリスティを愛して止まない著者の仕掛けた壮大な
トラップに酔いしれること間違いなし!
『カササギ殺人事件 上下』
著者:アンソニー・ホロヴィッツ著/山田蘭訳
出版社:東京創元社(創元推理文庫)
価格:上下各¥1,000(税別)