第1回 「本の学校notice431読書会」レポート

11月19日(土)に第1回本の学校notice431読書会を行いました。
新たに立ち上げたこの読書会は、notice(気づき)の時間を持つ事が目的の読書会です。
テーマを決めて、そのテーマに沿って本を読み進めます。自分の知っている本の紹介も大歓迎!ということで、今回のテーマは『文豪VS文豪ストレイドッグス』です。今大人気のコミック、「文豪ストレイドッグス」の面白さとそのモデルとなっている、文豪たちの魅力に迫りました。今回参加してくれたのは、女子中学生3人、女子高校生2人、男性2人
女性1人の計8人。その盛り上がりぶりをトピックでお伝えします!

★「文豪ストレイドッグス」のあらすじと魅力
舞台は横浜。孤児院を追い出された中島敦が、入水自殺をしようとした太宰治を助けたところから物語は始まる。‘軍や警察に頼むことができないような危険な依頼を専門’にする、武装探偵社の一員である太宰と、その同僚の国木田独歩とともに人喰い虎を探すはめになった敦は、実は自分自身が人喰い虎「月下獣」の能力を持つ異能者だったと知る。探偵社の一員となった中島敦は、森鴎外を首領とする「港を縄張りにする凶悪なポートマフィア」の芥川龍之介に狙われる。それは敦に70億円もの懸賞金がかかっていたからだ!!1冊の小説「書いたことが真実になる白紙の文学書」を巡って、政府の特務異能課、フィッツジェラルド率いる「北米異能集団ギルド(組合)」も巻き込み、文豪異能バトルアクションが開幕する。(文豪がイケメン化して能力バトルをする、この発想が凄い!)

※異能力集団「武装探偵社」主な社員とその異能力を紹介! 
福沢諭吉 人上人不造
中島敦 月下獣(白虎に変身、しかし自分では制御できない)
太宰治 人間失格(他の能力を指一本で無能化できる)
国木田独歩 独歩吟客(手帳のページを消費し、書いたものを具現化できる)
江戸川乱歩 超推理(現場を見ただけで瞬時に真相を見抜く、が異能ではない)
谷崎潤一郎 細雪(雪の降る空間そのものをスクリーンに変える)
宮沢賢治 雨ニモマケズ(怪力の異能者。しかし空腹の時しか発現しない。)
与謝野晶子 君死給勿(治癒能力 ただし相手を一度半殺しにしなければならない)
泉鏡花 夜叉白雪 (仕込み杖を持った異能。夜叉白雪を具現化できる)

※ポートマフィア メンバー 異能力紹介
森鴎外 ヰタ・セクスアリス
芥川龍之介 羅生門(コートの中で空間を削り取り自在に操る。太宰の異能力・人間失格が弱点。)
中原中也 汚れちまった悲しみに(触れたものの重力のベクトルと強さを操る)

※北米の異能集団「ギルド(組合)」メンバーの異能力紹介
フランシス・F 華麗なるフィッツジェラルド(消費した自身の財産の金額に比例して身体能力を強化できる)
ジョン・S 怒りの葡萄(ぶどうの種を植え付け宿主と樹木を繋ぎ感覚を共有する)
ラヴクラフト 旧支配者
ナサニエル・H 緋文字(自身の血液を聖なる文字に変えて操る)
マーガレット・M 風とともに去りぬ(風により物質を風化させることができる)
マーク・T ハック・フィン・トムソーヤ(小さな異能生命体である、ハック・フィン・トムソーヤを弾丸に憑依させ正確無比な射撃を行う)

以下、熱狂的な「文スト」&「文豪」ファンの熱い舌戦バトル!
(註:「文豪ストレイドッグス」を以下「文スト」で表記。)

・芥川が敵キャラ?!異能が凄い!太宰が唯一無能化できる。
・北米異能集団・ギルドがやばい!
・泉鏡花は異能を操れないけど、服のデザインとかが可愛い。
・「文スト」のアニメは2シーズン目に突入。大人が視ても面白い!!
・江戸川乱歩の決め台詞「僕が良ければすべて良し」かっこいい!
・森鴎外は悪のボス。えッ?そうなの?
・谷崎潤一郎は少し変態って知っていた?「痴人の愛」を読めばだいたいは・・・。
・KADOKAWA文庫の文豪小説の表紙には「文スト」のキャラが使われていて、揃えたくなる。ジャケ買いしてしまう。
・宮沢賢治のキャラが可愛すぎる。
・「文スト」の国木田独歩の独歩吟客は手帳に書き込んだメモが具現化できる。
・谷崎のマゾヒズム的短編集を集めた作品集がある。「少年」など。
・小学校の時文豪小説を読み漁りました。(参加者全員マジかよッ?とツッコミ)
・「文スト」キャラは良く研究されていると思う。例えば、「太宰は幼少期無邪気を装って周囲を欺いた」というところ、「文スト」キャラに近い。
・中島敦、「山月記」は月の光で虎に変る。中国名作からヒントを得て書いた。彼の中には常に「人は如何なるときに人を捨てて鬼畜に成り下がるのか」という疑問があった。
・「山月記」は短編集で読みやすいです。人が何かに変るというテーマだと、カフカの「変身」はもっと悲惨。見捨てられてゆく感じが悲しかった。救いようのない後味の悪い作品。
・谷崎潤一郎の「痴人の愛」は光源氏のこじれたやつ?
・でも、「文スト」のナオミちゃんは谷崎思いの可愛い子です。
・「痴人の愛」、中学生で読んで良いの?でも凄く面白かった。そんな考えもあるんだ!
・「文スト」から文豪にいった人も多い。
・「文スト」と「文豪本」が一緒においてあったら絶対に手に取る。
・もともとの文豪もイケメンが多い。
・中原中也は大好き。「文スト」の中也よりも実物の方が好き。
・中也の詩が凄い!閑散とした秋の風景を心に感じさせるような詩をたくさん書いている。
・詩も好き。特に与謝野晶子。「みだれ髪」「君死に給うことなかれ」読みました。
・八木重吉の「心よ、ではいっておいで~」は言葉が洗練されている。
・草野心平、全編「蛙」をモチーフにした「第百階級」の著者。詩人でありながら、新人発掘もやった。中原中也、宮沢賢治、八木重吉など。凄い人です!
・詩・俳句・短歌って、小説とは違い、読んですぐにその世界に浸れるから好き。ものすごく深くて短いのに世界観がある。(女子たちは皆賛同!そ~で~す。)
・モンゴメリ「赤毛のアン」は感動!
・「文スト」はキャラクターが増える傾向。ギルドのモンゴメリの異能の書き方が面白い。ファンシーな部屋に敵を惹き込み、巨大な人形アンと鬼ごっこをする。負けたらつかまり部屋に閉じ込める。賢治くんがつかまった・・・
・「文スト」のアニメの描写が驚異!例えば異能力「細雪」はスクリーンに言葉が飛び散っている感じ。もう一つ、セリフが原稿用紙に載って出てくるところに味がある。
・疑問点は「文スト」の主人公になぜ中島敦を使ったのか?あんまりメジャーじゃないのに・・・。「文スト」で初めて知った人が多い。
・コミックの原作者さんが好きだからという説もあります。
・さらに聞きたい!太宰の「人間失格」読んだときどう思ったのか?ダラダラ続く文章に辟易したか?自分がどんどん墜ちてゆく、沼か何かに堕ちてゆく感じがした。
・細かい描写が好き。好みは分かれる。用語ノートに書き写して読んだ。見取り図書いた。
・太宰の自殺説、実はいつものように狂言、でも一緒に死んじゃった女の人がそれを許さなかったという説もあります。怖い・・・。
・谷崎作品?句読点が無い!(全員納得。)
・「金色夜叉」は読みにくい。現代の文体と昔の文体が入り混じっている。
・明治初期の文豪の作品は、そういうものが多い。
・ところで、「文スト」には現役の作家も出てくる?
・京極夏彦、辻村深月、綾辻行人が「文スト外伝」スピンオフ作品に出ています。
・え~と、夢野久作の「ドグラマグラ」を読みました。表紙がえぐい!
・田山花袋の「蒲団」。ちょっと気持ち悪かった。あっち系????(大人な世界だね)
・全然「文スト」じゃないけど、英文学「チャタレイ夫人の恋人」は日本で猥褻論争があって、つい最近それに終止符が打たれた。読んでもどこが引っ掛かったのかわからない・・・。
・現代文学のまとめ 谷崎潤一郎は耽美派、織田作之助・太宰治は無頼派。そういえばニヒルなムードが漂っている?
・梶井基次郎の「檸檬」は短くてシンプルな話。主人公が檸檬を置いて去ってゆく。ただそれだけ。主人公の内面や心の動きそれに繋がってゆく一つ一つの動作を描き切って意味を持たせている。これは小説でしか表現できない。だからこそ有名でこんなに読まれていると思う。
・「檸檬」また読みたくなってきたね~。
・梶井さん、結構たくさん書いているのに「檸檬」しか知らない。
・有名な「櫻の木の下には死体が埋まっている」との書き出しで始まる作品は、梶井基次郎の作品です。これが「桜子さん」シリーズなんかに使われている。(へえ~~~~!)
・昔の文学作品のタイトルを解明してアニメなんかに使っていることが結構あるんです。
・「文学少女と~」シリーズ。本を食べる文芸部の女の子が主人公で、ちょっとした悩みや事件を解決する。本を食べると「桜餅の味がする」っていう不思議な感覚の文学少女が面白い!!!
・ところで、どこの文庫が好き?
・新潮文庫です。(女子たちはほぼ全員。)
・文学作品を大切にしている感じがある。読みやすい。はずれがない。少しラノベ系の文庫nexも良い。
・KADOKAWAの「心霊探偵八雲」シリーズ、大好きです!8巻が好き過ぎて買いました。気にいった巻だけを買うことにしています。
・ライトノベルって苦手でした。文中に使っている単語自体は難しいけど、書いている文章が稚拙だと思う。「おれ、賢い感」を出しているだけかなと思った。中原中也さんは中2病のイメージ。でも昔の人も頑張って漢字を作って言葉をあてはめていたのかなと思うと許せるかな。
★ではここで、文豪の恋愛・結婚観について!
・文豪の時代は純粋に恋愛を楽しみ作品は少なかった。
・「野菊の墓」は可愛い話。初恋の話だから。「たけくらべ」もなんか良かった。
・聞きたい!恋愛小説はハッピーエンド派?バッドエンド派?
・バッドエンド派!!!です!(女子たちはほぼそう!)何故????
・バッドエンドだと物語の先に選択肢が広がるから。
・ハッピーエンドってすべて円満に終わるわけないし、そんなの面白くない。リアルにそんなことあるわけない!
・両想いになって終わるって素敵だと思うよ・・・。
・でも両想いになっても別れたり、別の人を好きになったり、そのまま結婚ってない。
・ドラマみたいなことあったらあったで良いと思うけど、でもそんなことない。
・そんなに世の中うまく出来ていない。
・リアルな世界を描いてもらった方が面白い。
・現代の恋愛小説は、破れて終わるパターンってほぼない。例えば「痴人の愛」のナオミみたいに悪女になっちゃう。そんなひねりが欲しい。
・泣ける小説もワンパターンだと思う。
・でも、現実は厳しいから、物語の中に幸せを求めるってことはない?
・それも良いと思いますが、世の中は、例えば自分が悪女だったりして、色々やってみたいと思うけど出来ない。本の中だからこそ、そういうキャラクターを活かした冒険の物語とか、バッドエンドの終わり方が面白いと思います。
・昔から不倫愛とか陰のある物語を好きな人って一定数いたと思います。でも今はそれが多数派になった感じです。
・小説にリアルを求めるのが多くなってきた。
・森鴎外の「舞姫」って可哀そうすぎる?主人公の女の子が男性を追いかけて「来ちゃった」みたいな・・・。
・与謝野晶子が鉄幹と結婚したことって不倫の果ての略奪婚。しかも12人も子どもがいる。与謝野晶子って肝っ玉母さんか?
★最後!パロディ・擬人化の風潮について
・擬人化コミックが売れている。
・政治を擬人化した「政党たん」、大学を男子に擬人化したもの、サンリオ男子、都道府県を擬人化した「よどしち!」、国を擬人化したもの、ローカル線擬人化、戦車、艦コレ、刀剣乱舞、12か月の月を擬人化したものもあります。
・擬人化だらけだ~。
★おススメの本
・岩波書店「日本の作家名表現辞典」(本体価格¥3,200)国木田独歩、永井荷風、志賀直哉、梶井基次郎らの名表現の解説が載っている。(ひゃあ~買って帰りたい!欲しい!)
・左右社「〆切り本」(鈴木千佳子著 本体価格¥2,300)は、有名作家がいかにして「〆きり」の言い訳を考えたのか?が載っている。
・最近の「国語便覧」は面白い!!

「文スト」どころか、文豪も大好きな女子たちが集まってくれました。ほんとに本が好きな方々。中高生がこんなにも楽しそうに熱く本について語ってくれて、司会者は涙がでそうになりました。「国木田独歩」を説明したとたんに、黄色い悲鳴が上がるなんてここだけでしょう!本当に楽しい読書会で、大いに盛り上がりました。参加者の皆様本当にありがとうございました。

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