最強の女性コンビ登場!「ガンルージュ」

「機龍警察」シリーズの月村了衛さんの描くアクション小説が、
とても面白く、読み終わった後の爽快感がたまらない。
特に昨年発売された、「槐-エンジュ」「影の中の影」の2作品が
そうだった。
何だか気持ちがざわついた時に、映画「ダイ・ハード」を視て
スッキリした気分になった・・!そんな読後感。

そしてこの「ガンルージュ」も上記の2作品に勝るとも劣らない面白さ!
特に主人公の女性二人の強烈なかっこよさに思わずニヤリとしてしまう!

ガンルージュ

ある田舎の中学校の体育教師・美晴は、およそ教師らしくない振る舞いで
PTAから目の敵にされていた。
しかし、男勝りでケンカにはめっぽう強い美晴は生徒から信頼されていた。
そんな美晴は、秋来祐太郎の母・律子がなんとなく気になっていた。
秋来律子は、そこらにいる普通の保護者たちとは異質の雰囲気を醸し出していた。
美晴は、動物的直感で秋来律子はただ者ではないと感じ取っていたのだ。

ある日曜日、律子は祐太郎と買い物に出掛ける約束をしていたが、祐太郎は
幼馴染の麻衣に呼び出され出掛けてしまう。だが約束の時間には戻ると言った。

祐太郎はいつも遊ぶ神社で麻衣と逢っていた。もう一人、友達が来るという。
だが、その友人から来れないとの連絡が入る。祐太郎は母と約束しているからと
帰ろうとしたとき、地元民が「別荘御殿」と呼んでいる方向から
何かが破裂したような音が聞こえてきた。
祐太郎と麻衣は、鉄砲の音ではないかと疑う。子どもっぽい好奇心から麻衣は
祐太郎が止めるのも聞かず、「別荘御殿」へと向かってしまう。
二人がそこで目撃したのは、スーツ姿の屈強な男たちの血まみれの死体だった!
彼らを襲撃した者たちは、貧相な老人を拉致し逃走しようとしていた。
祐太郎たちは、彼らに見つからないように逃げようとするが、
すぐに見つかってしまった!
そして、足を怪我して動けない老人を二人で抱えろと命じられ、
襲撃者たちに拉致されてしまう。

一方、約束の時間になっても戻ってこない祐太郎を心配した
律子は、祐太郎たちがよく遊んでいる神社に向かった。
その途中、美晴と出会う。いつになくあわてている律子をみた
美晴は律子と一緒に祐太郎を探すことに!
そして二人は「別荘御殿」の惨状を目撃!すべてを察した律子は
祐太郎たち救出に動く!

秋来律子は一体何者なのか?
拉致された男は?襲撃者の正体は?
そして、祐太郎たちは無事に生きてもどることが出来るのか?

そんなこと、ハッピーエンドに決まっているだろう!と突っ込みたく
なるけれど、わかっているけれど!読んでいくと主人公二人の過去や
律子の正体など次第に明らかになる下りは面白い!!
アクションシーンは映画のようだし、次はどうなる?どうなる?
祐太郎と麻衣は・・・?ワクワク、ドキドキの展開でページを捲る手が止まらないのだ!

何も考えず、ただめちゃめちゃ面白い小説が読みたい!
スカッとする小説が読みたい!人におススメ!
読み応えたっぷりのアクション警察小説であり、スパイ小説です。

『ガンルージュ』
著者:月村了衛
出版社:文藝春秋
価格:¥1,500(税別)