吉川英梨新シリーズ登場!「新東京水上警察 波動」

吉川英梨さんの「女性秘匿捜査官・原麻希」シリーズから
「警視庁女性犯罪捜査班警部補・原麻希」シリーズと
女性刑事が主人公の警察小説が非常に面白く、
夢中になって読みました。

その吉川さんの新刊が、「新東京水上警察 波動」です。
海上を舞台に様々な事件を追いかける水上警察の活躍を描く、
とても熱い警察ドラマ!

波動

東京湾警備拡張のために新設された「五港臨時警察署」。
2020年東京五輪に向け設置された水上警察だ。

警視庁刑事部捜査一課の若手刑事・日下部峻は、
本部で上り詰めるという野心を隠そうともしない、
上昇志向の強い刑事だ。
だが、新設部署へと異動が決まった。

その新設部署、五港臨時署刑事防犯課強行係を束ねる、碇拓真警部補は、
現場一筋の熱血刑事だ。犯人逮捕のためには手段を選ばないふてぶてしさは、
上には少し不評だが、同僚や部下からは信頼されている。

そしてその新設部署には、美しい海技職員、有馬礼子もいる。
実は、周りには秘密にしているが、日下部の恋人だ。
だが、そんな二人の関係も、碇に早々にばれてしまう・・・。

水上観閲式をまじかに控えたある日、人間の小指と思われるものが発見された。
それは男性老人の小指で死後に切りとられたらしい。
早速、碇たちが動き始めるが、さらに無人島の第六台場で白骨死体が発見された!
切りとられた小指とその死体に何らかの関係があるのでは?
しかし、全く別人のものだった。
小指の方から捜査を進めると、ある介護付き老人ホームへとたどり着いた。
そして、その介護施設の職員の怪しい行動に気づく。
さらに白骨死体は、その事件に絡み暗躍する半グレ集団に行き当たる・・・!

老人ホームで何が起こっているのか?
認知症と思われる女性から得た怪しい情報・・・・
事件は急展開に!

強烈なキャラに彩られた警察小説。
犯人逮捕に情熱を燃やす熱血でありながら、心に深い闇を持つ、碇警部。
碇警部に対する日下部刑事の激情と嫉妬・・・。
日下部の恋人でありながら、碇に心を動かされる礼子。
そして、新東京水上警察に深い因縁を持つ謎の男の影・・・。
様々な事情を持った人物の登場で、どんな物語に発展してゆくのか・・?
シリーズに期待してしまう。

また、本部と所轄の軋轢や、チーム内の不協和音など、
リアルな警察組織の事情、さらには現代日本が抱える社会問題も
鋭く抉り、それを事件に絡ませつつ犯罪を暴いてゆく!
まさに、臨場感あふれる正統派の警察小説だ。

こんな警察小説を待ってました!!
次回作は1月発売です!
タイトルは「Wの撃鉄 新東京水上警察(仮)」。
乞うご期待!

『波動 新東京水上警察』
著者:吉川英梨
出版社:講談社(文庫)
価格:¥720(税別)