警察のタブーに斬りこんだ!『背中の蜘蛛』

誉田哲也さんに新作、「背中の蜘蛛」は、
読んでいる途中でトリハダがたってきました。

池袋署刑事課の本宮は、管内で起きた男性の
殺人事件を担当するが、有力な情報がなく
捜査は進まなかった。

そんなある日、小菅捜査一課長から、
秘かに、殺された妻の過去を調査する
よう命じられる。

捜査本部の命令系統から外れた小菅の指示に、
納得がいかない本宮だったが、
上司の命令に「NO」はない。
捜査本部とは別行動で、部下の二人を使い、
妻の過去を調べた….。

そして、事件はあっけなく解決する。

捜査一課長のアドバイスなのか?推理なのか?
ならばなぜ捜査本部を通さないのか?

本宮の心は疑問とともに後ろめたさが
膨らんでゆく。

違法薬物の売人を尾行中、その売人の爆殺に
巻き込まれ、負傷した警視庁組織犯罪対策部の
植木刑事。自分自身が負傷したことで、捜査の
行方も気になる。捜査は難航しているようだった。
ところが、高井戸署の佐古が掴んだ情報によって
事件は解決する。

植木は佐古に情報の出所を訪ねるが要領を得ない。
いったい、何が行われているのか?
植木はその真相を突き止めようとする!

事件解決に難航する捜査本部に突如
有力な手掛かりが….。
事件は解決したけれど?
何だかすっきりしない。

何かあると思うけれど一体何だろう?

読み込んでいくととんでもない展開が!
警察って本当にここまでやっているのか?

ドラマや映画の世界だと思っていたことが
実は本当に行われている!?

あまりにもリアル、驚きを通り越した警察小説!

『背中の蜘蛛』
著者:誉田哲也
出版社:双葉社
価格:¥1,600(税別)

刑事の執念を描く!「雨に消えた向日葵」

吉川英梨さんの描く警察小説。
シリーズものはほぼ全部読んでいますが、
単発ものは初めて手に取りました。

シリーズものとは一味違う警察小説です。

埼玉県坂戸市で、小学5年生の少女が失踪した。
少女の趣味はちょっと大人な漫画を描くこと。
その日も親友に頼まれて、漫画を描いていた。
ところが大雨で、学校から下校を促され、
豪雨の中、少女は一人歩いて帰った。

その姿が最後に目撃されており、現場には
傘が一本残されていた。

少女は周囲も思わず振り返るくらいの美少女。
姉の証言で、一か月前から現場と同じ場所で
不審な男につきまとわれていたことが判明。

誘拐か、家出か、事故か?県警捜査一課の奈良は、
少女の行方を追う。
捜査が進む中、中学生グループが少女に目をつけていたこと、
さらに電車内から少女の私物が発見されるなど、
有力な情報があがり、捜査は進展するかと思われたが…。

二転三転する証言、虚偽情報など、様々な情報
が錯綜し、有力な手掛かりが得られない中、
時間だけが過ぎてゆく。やがて、捜査本部は縮小された。
そんな中、奈良は一人捜査を続けた。

そして、焦燥にかられる被害者家族たちを
襲うさらなる悲劇!
詐欺被害、誹謗中傷、いじめ…。

被害者なのに、なぜこれほどまでの
仕打ちを受けるのか?

歪んだ社会、歪んだ正義、さらに弱者を
貶めようとする悪意。
心に闇を抱えた人間たちの本性が淡々と描かれる。

誰もがあきらめかけた、少女の行方を
追う刑事の執念の捜査とその生き様を
描いた、心が揺さぶられる物語。

『雨に消えた向日葵』
著者:吉川英梨
出版社:幻冬舎
価格:¥1,600(税別)

衝撃の警察小説登場!「ブラックリスト 警視庁監察ファイル」

初読みの作家さん、伊兼源太郎さんの
「ブラックリスト」を読みました。
読んでいる途中で気がつきました。この作品には前作が
あるのでは?ということで、第1弾は、
「密告はうたう 警視庁監察ファイル」
(実業之日本社文庫 ¥685税別)です。
こちらから読むほうがおススメですが、
「ブラックリスト」面白いです!

このシリーズは、警察官や、警察職員の不正を捜査する
警察官にとっての警察という「監察」に焦点を充てた作品。

「ブラックリスト」の物語は、
捜査二課から大型特殊犯罪関連の捜査資料が流出し、
資料に名前のあがっていた、逃亡中の詐欺犯たちが
次々と変死する事件が起きた。

捜査資料は渋谷中央署から流出したという疑いがのぼり、
警視庁人事一課監察係の佐良と皆口は、内勤の刑事の
行確に入った。
だが、その朝二人は突如何者かに銃撃をされる!
しかも、その銃は弾の線条痕から2年前に起きた
警察官殺害事件に使用された銃と同じものだと判明!

2年前に殺害された刑事とは、佐良の相棒で、皆口の
婚約者だった斎藤だ。
二人は複雑な思いを抱え、捜査を続行する。

この銃撃は捜査妨害なのか?それとも….
何者かの脅迫なのか?

捜査資料流出事件の背後にあるものとは?
警察内部で何が行われているのか?

組織内部に蔓延る暗く深い闇も見え隠れする、
いったい、本当の黒幕はどこの潜んでいるのか?

作品全体に漂う緊迫感、サスペンスフルな展開、
そして「容疑者は全ての警察官」という一文に戦慄する!

渋みと凄みが効いた新たな警察ミステリー。

『ブラックリスト 警視庁監察ファイル』
著者:伊兼源太郎
出版社:実業之日本社
価格:¥1,700(税別)

「検証捜査」の兄弟編!「凍結捜査」

堂場瞬一さんの「~捜査」シリーズも大好きです。
「検証捜査」はほんとに面白くて、シリーズに
なって嬉しいです。
今回の「凍結捜査」はその兄弟版。北海道が舞台です。

函館中央署の保井凛は、ある事件の再捜査で
東京に呼ばれたときに知り合った、警視庁の
神谷とともに北海道で休暇を過ごしていた。

そこへ射殺体発見の連絡が入った。
休暇を中断し、現場へ向かった凛は驚く。
雪の中に横たわっている射殺体は、婦女暴行
の容疑がかかり、被害届がでていた
平田という男だった。

被害届を出したのは、水野珠希という女性だった。
凛は早速、珠希を訪ねた。しかし珠希は突然
姿を消したと言う。
一体どういうことなのか?

凛は捜査を続けるが、手掛かりはない。
また、珠希の行方も杳として知れない。

半年が過ぎた頃、東京のホテルで女性の
射殺体が発見された。警視庁の神谷が捜査を
担当すると、女性の身元が判明。
なんとその射殺体は、行方が知れなかった
水野珠希だった。

連続殺人事件なのか?凛も東京で神谷と
ともに捜査をすすめてゆく。

一向に見えてこない事件の真相。
読んでる方ももどかしい。
事件の筋がみえたのか?と思うとまた後退する。
この捜査の過程が非常にリアルに描かれている。

さらに、事件を通して凛の心に広がる未来への
不安や、凛を思う神谷の優しさも描かれる。

そんな思いを乗り越えつつ、巧妙に仕組まれた
重大犯罪に、熱き刑事魂を抱えたものたちが挑む。

読み応えのある、本格的警察小説!

『凍結捜査』
著者:堂場瞬一
出版社:集英社(文庫)
価格:¥880(税別)

支援課の苦悩を描く!「警視庁犯罪被害者支援課6不信の鎖」

大好きなシリーズです。
「警視庁犯罪被害者支援課」。
新作は、ブラック企業ハウスメーカーの
社長が主人公です。
かなりの波乱が巻き起こります!

2年前、ブラック企業として知られる
ハウスメーカーの社長・大崎の娘が殺害された。

支援課の村野は、その事件で被害者家族である
社長の大崎に寄り添うが、大崎は怒りを爆発
させるばかりで支援課は苦労した。

そして2年後、強盗殺人で山梨県警が逮捕した
男が、大崎の娘殺害を自供したと連絡が入った。

あまりにも意外な犯人の自供で捜査は急展開する。

そして村野たちは、再び大崎と向き合うこととなった。

警察を信頼できず、怒りにまかせて暴言を吐く
大崎にまたもや振り回される村野。

さらに支援課内部でも問題が生じていた。
以前から支援課に不満を抱いていた長住が、
この事件を執拗に追う記者と不審な接触
図っていたのだ。

最も傲慢な犯罪被害者は守るべきか否か….。
悩み続ける支援課、そして村野。

今までにない被害者家族と向き合う村野たち。
それでも絶対に挫けず己の職務を全うする
彼らの矜持に心を打たれた。

また、今作品、今まで以上にミステリー色が濃い。
クライマックスの展開に目を瞠る!

読み応え十分の警察小説!

『警視庁犯罪被害者支援課6 不信の鎖』
著者:堂場瞬一
出版社:講談社(文庫)
価格:¥840(税別)

北海道警シリーズ最新作が切ない!「真夏の雷管」

大好きな警察小説シリーズです。佐々木譲さんの
「北海道警・大通警察署」
「笑う警官」から、シリーズ8作品目は「真夏の雷管」。

夏休みに入った。
いつもの場所で、憧れの列車・特急スーパーおおぞらを
見送った少年。
そこで一人の男性と出会った。彼は鉄道好きらしい。
その男性は、小樽の鉄道博物館に連れていってくれるという。
夏休みだし、少年は嬉々として男性の提案に従った!

大通署生活安全課の刑事・小島百合は、老舗の
模型店で工具を万引きした男子小学生を補導した。
妙に冷めた小学生だ。
署で話を聞こうと連れて行ったが、ちょっと目を離した
隙に逃げられてしまう。

一方、刑事課の佐伯宏一は、園芸店の窃盗犯を追っていた。
盗まれたものは爆薬の材料にもなる化学肥料の袋だった!

男子小学生の万引き事件、園芸店の窃盗事件。
二つの事件は交錯し、想像をはるかに超えた
危険な方向へと動き出してゆく!

必死に生きようとする人たちを絶望の底に追いつめる。
貧困・育児放棄・孤独、社会からの隔絶…..。
現代社会が抱える闇が、いくつも浮かび上がる。

そこから導き出された事件の真実があまりにも切なすぎる!
心に沁みる傑作。

『真夏の雷管 北海道警・大通警察署』
著者:佐々木譲
出版社:角川春樹事務所(文庫)
価格:¥720(税別)

新たなシリアルキラー登場か!?『SROⅧ 名前のない馬たち』

富樫倫太郎さんの「生活安全課0係り」シリーズ
はテレビドラマ化され、人気を博している。
ちょっとコメディタッチで描かれた警察小説
なので、ドラマにはピッタリ!大好きなシリーズ。

そしてさらに面白いのがこの「SRO警視庁広域捜査専任
特別調査室」シリーズだ。
久しぶりに新刊が発売された。シリーズ8巻目は
「名前のない馬たち」。

東京留置所特別病棟に入院していた
最凶のシリアルキラー・近藤房子は、
担当看護師を殺害し、脱走した。
そして、近藤の魔の手は、その看護師の
娘に近づいていた。

同じ頃、SROのメンバーにも近藤の影響が広がっていた。
誰もが疲弊していた。

そんな中、SRO室長・山根新九郎は、友人と一緒に
行った乗馬クラブで妙な事件が続いていることを知る。

関東近県の乗馬クラブのオーナーが相次いで亡くなっている
という。いずれも死因に不審な点は見られないが、
そのオーナーと一緒に必ず馬が一頭死んでいるのだ。
そんなことはめったに起きないらしい。

山根の頭の中に新たな事件のイメージが広がる….。
山根の指揮のもと、独自に調査を始めたSROのメンバー。
やがて、北海道のある牧場にたどり着く。

最凶シリアルキラー・近藤の調教ゲームは続く。
新たな殺人鬼が生れるのか?

何かを誰かをとても大切に考えることは良い。
しかし、それがひとりよがりになってはいけない。
あまりにも一つの部分しか見なかったら….?。
恐ろしいことになるかも知れない….。

8巻も面白く、堪能できました!!

『SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室Ⅷ 名前のない馬たち』
著者:富樫倫太郎
出版社:中央公論新社(文庫)
価格:¥820(税別)

日本人探偵とアメリカ人刑事が活躍!異色の「バディ」もの。

堂場瞬一さんの「over the edge」と「under the bridge」
を読みました。

NY市警緊急出動部隊の分隊長、モーリス・ブラウンは、
大手IT企業のCEOから、日本へ派遣した上級
副社長・ホワイトの捜索を依頼される。
ホワイトとブラウンは戦友だったが、しばらく
連絡をとっていなかったので、ホワイトが日本へ
行ったことも知らなかった。そのホワイトと
突然連絡がとれなくなったらしい。
表向きは日本の警察の視察という名目で来日
したブラウンは、秘かにホワイトの捜索を始める。
しかし、動き始めた矢先、何者かに襲われる。
それを助けたのは元刑事の探偵・濱崎だった。

日本でのホワイトの失踪に事件性をかぎつけた
濱崎は、ブラウンを手伝うと言った。
ただ面白いからという理由に反感を覚えた
ブラウンだったが、外国で自由に動けない
こともあり、いつのまにか二人は手を組む。
「over the edge」

マンハッタンで発生した立てこもり事件。
日本人女性が人質になったが、無事に救出された。
その事件について上層部から捜査を依頼された
NY市警のブラウンは、事件を追うことに。
一方、日本を脱出しNYに潜伏した探偵・濱崎は、
解放された人質が旧知のヤクザの情婦だったことを
知り、その立てこもり事件には裏があるとにらみ、
濱崎とブラウンの二人は、今度はNYで同じ事件を
追うことに・・・。
「under the bridge」

ヤクザとの不敵切な関係を指摘され、警察官の
辞め、探偵になった濱崎は、何でも屋のような
仕事で日々暮らしている。
片や、軍隊で厳しい訓練に耐え、その後NY市警の刑事に
なったブラウンは、まじめでちょっと融通が効かない。
そんな二人が仲良く捜査をできるわけがない。

友人同士にもなれない、お互い分かりあえないが、
なぜかお互いを放っておけない。
そんな微妙な距離感を保ちながら、事件を追う二人。

警察小説としての面白さが十分に堪能できるうえ、
まじめなブラウンと斜に構えた皮肉っぽい濱崎の
異色の「バディ」ぶりがとてもかっこよく思える。
二人の軽妙な会話も楽しめる!
ハードボイルドタッチのミステリー。

①『over the edge』
②『under the bridge』
著者:堂場瞬一
出版社:早川書房
価格:①¥800 ②¥820(いずれも税別)

お祓い師・鬼龍光一&安倍隆景と少年事件課の富野刑事が活躍!『呪護』

今野敏先生の大人気警察小説シリーズの最新刊「呪護」です。

お祓い師・鬼龍光一&安倍隆景と警視庁少年事件課の富野刑事が
常識では考えられない事件を解いてゆく、オカルト系警察小説。

シリーズも「陰陽」「憑物」「鬼龍」「豹変」(角川文庫)
番外編で「パラレル」(中公文庫)が発売されていて、
とても面白いシリーズ。

さてさて新作「呪護」も相変わらず面白い!

都内の私立高校で、傷害事件が起きた。
男子生徒が、男性教師を刺したのだ。
身柄はすぐに拘束され、男子生徒は取調を受ける。
男性教師と女子生徒が淫らな行為を行っている
ところを目撃した男子生徒は、女子生徒が襲われて
いると思い、思わず教師を刺したと言う。

警視庁少年事件課・富野刑事は、現場に居合わせた
女子生徒に事情を聞くと、男子生徒の供述とは
違う奇妙な話をした。

富野の中に違和感が生まれる…。

刺された男性教師が入院している病院へ向かう富野の前に
お祓い師の鬼龍光一と安倍隆景があらわれた。

この二人がいるということは、この事件は常識では
解決できない事件ということだ….。

富野はまたしても、ありえない事件に首を
突っ込むことに….。

このシリーズの最大の魅力は、祓い師の鬼龍と安倍の
漫才のように軽妙な会話。そしてその二人に振り回される
富野刑事というキャラ設定だ。
さらに、事件の背景が陰陽師系の裏歴史にまつわる
もので、表に出ている歴史好きにも非常に興味深く
読ませる、今野先生の博識さが際立っているところだ。

祓い師の二人曰く、富野はナガスネ彦やアビ彦のトミ氏の
末裔で、二人より位が上で、こんな事件を呼び寄せて
しまうのだという。

今回の事件も、背景には陰陽師系が絡んでいるようだ。
江戸幕府と平将門伝説の関連性、北斗七星と魔法陣、
さらに山手線の秘密など、わくわくする要素が
盛りだくさん。
そしてこの要素が事件とどう繋がってゆくのかが
最大の読みどころ。

そして今回やっと、富野刑事を理解する刑事が現れる。
この手の話に目がない、強行犯係の橘川だ。

新たなキャラも加え、規格外の面白さで迫る
オカルト系警察ミステリー!

『呪護』
著者:今野敏
出版社:KADOKAWA
価格:¥1,700(税別)

53歳ヒラ刑事、今度の敵も手強い!「ワルキューレ巡査長真行寺弘道」

榎本憲男さんの「巡査長真行寺弘道」シリーズ。
第3弾の「ワルキューレ」を読みました。
どんどん面白くなってゆきます!

真行寺弘道は、警視庁捜査一課に所属、53歳で巡査長。
警察官で言うと「超」ヒラ刑事ということになる。
そんなヒラ刑事が捜査一課にいること自体、異例中の異例だ。
真行寺は、ある理由で頑なに昇任試験を受けず、
出世を拒否している、警察の中でもかなり風変わりな刑事。

しかし、彼の中には信念がある。
事件の真相解明のためなら、周りへの忖度など一切しない!
徹底的に追及する。

そんな真行寺を、キャリアで警視庁刑事部捜査一課課長の
水野玲子は厄介な奴だと思いながらも一目置いている。
彼の捜査能力、事件の筋読みは他の刑事と比較にならないほど
優秀だからだ。
時には、捜査本部とは別の角度から捜査するよう支持を出す。
これも異例中の異例なこと。
しかし、今回はさすがに堪忍袋の緒が切れる事態に….。

モデル事務所に所属していた、高校生の少女・麻倉瞳が
誘拐された。
真行寺は、評論家のデボラ・ヨハンソンの秘書である、
瞳の母親に接触を図る。
捜査の結果、標的はデボラ・ヨハンソンであり、
その誘拐犯からの要求は、前代未聞の内容だった!

今回はマイノリティの人たちの苦しみをどこまで
理解できるか….。

1巻は、日本における政界・芸能界・反社会的勢力
などが連なる巨大組織の闇に迫ろうとする。

2巻はインドにおけるカースト制度に言及し、最下層の
人たちに寄り添おうとする。

そして、3巻はマイノリティの人たちの思考を必死に
理解しようとする真行寺。

毎作品、取り上げられるテーマに驚く。
難しいテーマをあえて取り上げ、真行寺と共に
読者も深く考えさせられる。
まるで社会学を学んでいるような感覚に陥る時がある。
ほんとにこのシリーズの魅力は、真行寺のキャラと
この奥深いテーマ。そこに敢然と斬り込んで行く
ところが凄い!!!

そしてもう一つの魅力は、これまでの作品に登場
してきた人物たちが、続けて登場する。
真行寺の周りには、彼を慕う人たちが増えてくる。
それがとても自然に描かれていてとてもいい感じだ。

シリーズ4作目はどんな難事件にぶつかるのか?
楽しみでしょうがない。

『ワルキューレ 巡査長真行寺弘道』
著者:榎本憲男
出版社:中央公論新社(文庫)
価格:¥820(税別)