本の学校、2016年海外ミステリミニフェア展開中

本の学校今井ブックセンターの「はまさきミステリー」コーナーで
2016年海外ミステリーフェアを展開中です。

2016海外ミニフェア①

「このミステリーがすごい 海外編 2017版」の1位は「熊と踊れ 上下」。
実際に起こった銀行強盗事件を描く。
著者はアンデシュ・ルースルンド。共著は、なんと
この銀行強盗事件の犯人の兄弟の一人である、ステファン・トゥンベリ。
ステファン以外の兄弟たちがなぜ、犯行に及ぶことになったのか?
父との関係、兄弟の絆・・・。事件を描きつつ、家族に焦点を充てた作品。
「三秒間の死角 上下」は、「熊と踊れ」の著者アンデシュ・ルースルンドが
元服役囚のベリエ・ヘルストレムとタッグを組んで描いた、
刑務所を舞台にした迫力あるミステリー。

今年も、北欧のミステリー作品がミステリー界を席巻した!
この二作品を中心に以下の作品群で肉付けした。

数年前にこのミス海外1位にランクインした、
スティーブン・キング「11/22/63 上中下」も文庫化された。
アメリカではドラマ化され、大ヒット中。
また、数年前にこのミス海外編にランクインした、
「ハリー・クバート事件」が今年文庫化された。
クライマックスに真犯人がわかるまで、ワクワクし通しだった。

今年、文春ミステリー海外編で1位になったのが、
「傷だらけのカミーユ」ピエール・ルメートル。
文春ミステリーでは、ルメートル作品が3年連続で1位になった。
凄い!この作品は、ヴェルーヴェン警部シリーズの完結編でもある。

初めて読んだ、オーストラリアの警察小説「邂逅 シドニー州都警察殺人捜査課」
キャンディス・フォックス著
からっと晴れた印象が強いオーストラリアだが、作品は闇と謎が多く、
そのギャップが面白かった。シリーズ化されているので、次の発売が楽しみだ。

北欧の警察小説言えば、「刑事マルティン・ベック」シリーズだ。
新訳になり、今年は「ロセアンナ」、「煙に消えた男」の2作品が
発売。絶対にはずせない。
さらに、アーナルデュル・インドリダソンの
エーレンデュル捜査官シリーズの第2弾「緑衣の女」も
文庫化された。「湿地」以上に悲しい女性の過去を
突きつけられ、事件の真相そのものよりも、女性の
物語に胸を打たれた。

ドン・ウインズロウの「失踪」は、元刑事が命懸けで
失踪した少女の行方を追う、ハードボイルドミステリー。
主人公がタフで男気にあふれ、愛情深いという申し分ないキャラ。
そのキャラが際立っていた。ウインズロウの隠れた傑作だと思う。

女性向けには「イヤミス」を準備。
「邪悪な少女たち」アレックス・マーウッド
「氷の双子」S・K・トレメイン
「視える女」べリンダ・バウアー
「ガール・オン・ザ・トレイン」
「コピーフェイス 消された私」
など女性が主人公。様々な事件にあい、
転落してゆく様、罠にはまりつつ復活してゆく様を
サスペンスタッチで描いていて面白い作品ばかり。

年末年始、長いお休みに海外ミステリーを堪能してはいかがでしょう?