百田尚樹氏、最大の問題作「モンスター」

『永遠の0』(講談社文庫)でデビューし、『BOX』(太田出版)ほか様々な作品を生み出す、すごい作家・百田尚樹氏のこれまたすごい文庫の新刊を紹介します。14日に発売されたばかりの『モンスター』(幻冬舎文庫)です。
単行本のときに、「モンスターと呼ばれた女性が、整形手術をして絶世の美女に生まれ変わり、自分を追い出した町へ戻り、復讐するストーリー」と云う簡単な内容紹介に惹かれて読み出しました。
ところがそんな簡単な紹介文はどこかへ吹っ飛び、徹底的に‘美’を求め続けた女性の苦悩と、叫び、求めても得られないどうしようもない心の渇きが感じられ、哀しくて切なくなってきました。
畸形的なまでに醜くく周囲からバケモノ扱いされて、悲惨な日々を送っていた和子。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われる。自分の醜さゆえに心を開くことができず、ひとりぼっち。
あるとき、週刊誌に載っていた「眼を二重にする整形」に興味を持ち、美容整形を決意する。
二重まぶたにしたことで、自分に自身が持てるようになった和子は、次第に美容整形にのめりこんでいく。
物語は、和子が絶世の美女に生まれ変わり、名を美帆と変え、自分を虐げた町へと戻っていくところから始まります。美しくなって、かつて自分をバケモノ扱いした一人一人に復讐していゆく和子・・。
美しくなった現在と、モンスターと呼ばれ、美容整形を繰り返し、徐々に美しくなり男達を翻弄する妖しい女性に変わっていく過程が交互に描かれていて、物語の面白さが倍増。美容整形については徹底的にリアルに描かれていて、ここまで書くか!?というくらいすごいです。
エンタメ小説の奇才・百田尚樹氏の衝撃の問題作です。
『モンスター』の手書きPOPです。

 

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『モンスター』
著者: 百田尚樹
出版社:幻冬舎
価格:¥724(税別)