怖すぎる!「家」の恐怖を描く!「スイート・マイホーム」

発売後から、今までにない怖さ、おぞましさということで、
話題になっている、ホラーミステリー、神津凜子さんの
「スイート・マイホーム」(講談社)を読みました。
小説現代長編新人賞受賞作です!

スポーツインストラクターの賢二は、冷え性で悩む妻のため、
1台の大きいエアコンで家中を暖められる、「まほうの家」と
銘うった新居をを購入した。

だが、入居後まもなく夫の友人や、妻の友人のこどもから
家が怖いと言われる。妻も時々家の中で他人の視線を
感じるようになり、赤ん坊の瞳には、不気味な影が
映り込む!さらに地下室では長女が何者かに捕まり
泣き叫ぶ!そしてついに関係者の一人が怪死を遂げる……。

幸せを絵にかいたような家族。しかし夫には決して
妻に言えない秘密があった….。
妻は、表面的には良い妻、良い嫁、良い母親であろうと
務めている。
しかし、そのひずみはやがて家族の間に暗い影を落とす。

家に潜む狂気が、妻・子どもたち・夫の兄弟までも蝕んでゆく…..。
冒頭から漂う怪しげな不安感。
その不安感は読み進めると恐怖に変る!暗い影は、人間の狂気か、
それともモンスターか?最後の最後まで気が抜けない。
イヤミスもホラーも超えた、おぞましいミステリー。
新人離れしたストーリー展開に脱帽です!

『スイート・マイホーム』
著者:神津凜子
出版社:講談社
価格:¥1,500(税別)