戦慄!殺人鬼との対決!「海底の道化師 新東京水上警察」

吉川英梨さんの「新東京水上警察」シリーズ
第4弾「海底の道化師」を読みました。

殺人鬼との対決!襲いかかる海上での恐怖。
今回も前作以上に凄い展開です。

東京湾海底から、女性の運転免許証が3枚回収された。
その運転免許証は、失踪中の女性のものだった。
良く見ると、出身地や生年月日がバラバラのものだ。
しかし免許証の写真はすべて若い女性だった。
しかもロングストレートの黒髪の持ち主・・・。

五港臨時署刑事防犯課強行犯班係・係長の碇拓真は、
でかいヤマにあたったかも知れないと予感!
早速、本格的に捜査を始めた。

碇拓真の恋人・有馬礼子は碇のような刑事になりたいと
ずっと思っている。五港臨時署刑事防犯課強行犯班係
に配属され、碇と共に捜査が出来ると思っていたのに、
今度は、警視庁第二機動隊第一水難救助隊に異動と
なってしまった。
先輩の女性警察官に毎日しごかれる日々だ。

免許証の捜査から、毎年、若くてロングストレートの
黒髪の女性が拉致されていることにたどり着いた碇たち。
そして、水難救助隊はさらなる捜査をすべく、海に
潜っていった。そして死体を発見する。

同じ頃、救難信号を出していた民間の船の通信が
途絶えた。礼子はその民間の船の乗組員の救助に
向かうというが、碇から厳しい叱責を受ける!
「海を舐めるな」と。
しかし、碇の叱責を無視し、礼子は一人救助に
向かった。

そこで礼子を待ち受けていたものは・・・・!?

シリーズ第4弾は、連続女性殺人事件の正体を暴く捜査と
拉致された礼子救出劇にドキドキの連続だ!

さらに、自然の猛威が海上を包み、脱出不可能に陥る碇たち。
命懸けの脱出を試みるが、次々と襲いかかる海難!
息もつかせぬ脱出シーンにしびれる!

新たに魅力的な人物も登場し、ラブロマンスも繰り広げられる。
そういう複雑な人間関係がどう展開してゆくのか?
楽しみでしょうがない。

舞台は東京湾。派手なアクションはつきもの。
ワクワクが止まらない。

『海底の道化師 新東京水上警察』
著者:吉川英梨
出版社:講談社(文庫)
価格:¥740(税別)

怖すぎる!「家」の恐怖を描く!「スイート・マイホーム」

発売後から、今までにない怖さ、おぞましさということで、
話題になっている、ホラーミステリー、神津凜子さんの
「スイート・マイホーム」(講談社)を読みました。
小説現代長編新人賞受賞作です!

スポーツインストラクターの賢二は、冷え性で悩む妻のため、
1台の大きいエアコンで家中を暖められる、「まほうの家」と
銘うった新居をを購入した。

だが、入居後まもなく夫の友人や、妻の友人のこどもから
家が怖いと言われる。妻も時々家の中で他人の視線を
感じるようになり、赤ん坊の瞳には、不気味な影が
映り込む!さらに地下室では長女が何者かに捕まり
泣き叫ぶ!そしてついに関係者の一人が怪死を遂げる……。

幸せを絵にかいたような家族。しかし夫には決して
妻に言えない秘密があった….。
妻は、表面的には良い妻、良い嫁、良い母親であろうと
務めている。
しかし、そのひずみはやがて家族の間に暗い影を落とす。

家に潜む狂気が、妻・子どもたち・夫の兄弟までも蝕んでゆく…..。
冒頭から漂う怪しげな不安感。
その不安感は読み進めると恐怖に変る!暗い影は、人間の狂気か、
それともモンスターか?最後の最後まで気が抜けない。
イヤミスもホラーも超えた、おぞましいミステリー。
新人離れしたストーリー展開に脱帽です!

『スイート・マイホーム』
著者:神津凜子
出版社:講談社
価格:¥1,500(税別)

最凶の悪女、さらにパワーアップ!「ふたたび嗤う淑女」

中山七理さんの新刊「ふたたび嗤う淑女」を読みました。
「嗤う淑女」で登場した最強の悪女。彼女がパワーアップし、
再び人々を翻弄します。
人を陥れるその手練手管に背筋が凍ります・・・。

女性活躍推進を掲げる、国会議員・柳井耕一郎の
資金集めの隠れ蓑として立ち上げられたNPO法人。
その女性事務局長は、募金活動でも資金が集まらず、
柳井の秘書から何度も叱責を受けていた。
秘書に強烈なライバル心を持っていた事務局長は
同僚の女性から投資の話を持ちかけられる・・・。

社会情勢に不満を持つ人々の心を言葉巧みに操り
信者を集める宗教法人。信者からお布施と称して
多額の財産を集めていた。しかし次第に信者の
数が減り、金策に行き詰まった副館長は、信者の
一人から耳寄りな情報を得るが・・・・。

柳井耕一郎の後援会会長である不動産屋の社長は、
半年前に入会してきた男の口車に乗せられ、
都議会議員選挙に立候補することに。そこで
彼から紹介を受けたのは、当選請負人だった・・・。

国会議員・柳井の周りに集まる金に操られる人間たち。
彼らが引き合わされた投資アドバイザー「野々宮恭子」。
しかしその正体とは!?

欲望にかられたあさましい人間たち、その人間
たちを翻弄し地獄に突き落とす女。
その女がいかにして彼らを死地へと追いやるのか?
女の手腕は恐ろしいほどに見事だ。
そしてその女に騙された人間たちの末路は悲惨だ。
しかし、同情すら覚えない。

この作品はそこまで冷徹に人間の愚かさを描いている。

どんでん返しの帝王が放つ、恐怖の逆転劇!!
読みだしたら止まらない、イヤミスの極致!

『ふたたび嗤う淑女』
著者:中山七里
出版社:実業之日本社
価格:¥1,600(税別)

著者独特の世界観で描かれる人間の怖さ、「少女たちは夜歩く」。

宇佐美まことさんの世界観にはまると抜け出せなくなる…?

城山を舞台に、10編の短編が
紡ぐ、幻想的で怖い….物語。

城山の森の描写が非常に不気味で、登場人物たちの
心に闇が訪れた時に、その魔界にはまってしまうような
悲劇が待ち構えているような、ざわざわした気持ちに
なってしまう。

恋に狂う女子高校生、病を抱えながら息子を思う父、
奇妙な絵の修復をするうちに狂気の世界へと
引きずり込まれた女性、謎のケモノを操る少年?
亡くなった人が見えてしまう女性…。

それぞれの物語の登場人物たちがあるところでは
リンクし、時に時間を飛び越え物語が進んでゆく。

ファンタジックな展開、ホラーとしか表現できない
物語。読み進むうちに頭がくらくらしてくる。
しかし、それこそが著者が物語に仕掛けた罠なのか。
読み手を翻弄する展開の巧さに絶句する。

ホラー、ファンタジー、ミステリーが絶妙な
バランスで融け合い、著者独特のダークさを
醸し出しているところが凄い。

宇佐美さんの世界を存分に堪能できる、傑作。

『少女たちは夜歩く』
著者:宇佐美まこと
出版社:実業之日本社
価格:¥1,600(税別)

タフでクールな女探偵登場!「探偵は女手ひとつ」

タイトルに惹かれて読みました。
深町秋生さんの「探偵は女手ひとつ」(光文社)。

山形を舞台に描かれた、探偵小説。
山形弁がすご~く効いている!!

小学生の娘と二人で暮らす、シングルマザー探偵の
椎名留美は、農家の手伝いや高齢者のおつかいなど、
最近では、ほぼ便利屋と化していた。

山形では、探偵に依頼する事件などあまりない。

ある日、元の上司である警察署長から、
さくらんぼ盗難犯を突き止めて欲しいという
依頼が入った。
久しぶりの探偵業らしい仕事の依頼に
張り切る留美だったが….。

ヤクザから依頼された人探し、イケメンに
つきまとうストーカー退治、などなど….。
地方でも起こりうる事件の闇をあぶり出し、
その事件に翻弄される人間ドラマを臨場感
たっぷりに描き出す。
リアル過ぎる設定と丹念な人物描写が魅力だ。

そして、物語をさらにリアルに感じさせてくれるのは、
ご当地言葉で交わされる会話シーン。
冷酷な事件もあまり恐ろしく感じないのは
このご当地言葉のおかげかもしれない。

過疎にあえぐ地方都市で、自分らしく生きる
クールでタフな女探偵がとてもかっこいい!

『探偵は女手ひとつ』
著者:深町秋生
出版社:光文社
価格:¥1,500(税別)

究極の心理サスペンス『彼女の恐喝』

藤田宜永さん初のサスペンス小説
「彼女の恐喝」(実業之日本社)
を読みました。

出版社の編集者を夢見る平凡な女子大生・圭子。
六本木のクラブで働きながら大学生活を送っていた。

ある台風の夜、マンションから一人の男が飛び出してきた。
その男を圭子は知っていた。クラブの客で、人材派遣
会社の社長・国枝だ。
翌日のニュースがそのマンションの一室で殺人事件が
起こったと報道していた。
圭子の頭に、昨夜飛び出してきた国枝の顔が浮かんだ。
まさか!?国枝が犯人なのか?

就職が思うように決まらず、心が荒む圭子。
そのストレスはやがて、国枝へと向かう。
そして殺人事件をネタに、圭子は国枝に
脅迫状を送ってしまうのだった。

のっぴきならない状況で、人間の心はどう動くのか?
あまりにも切実な心を抱えると、人は犯罪にまで
手を染めてしまうのか・・・?
脅迫状を送ってしまったという罪におののきながら、
圭子は国枝と密会を続ける・・・。

読者が推理する事件の行方よりも、
この作品では、圭子や国枝といった登場人物の
心理描写が物語の根幹となっている。

彼女らの感情の変化がもたらす物語の行方は、
想像を絶するクライマックスへと繋がってゆくのだ。

心が揺さぶられる、究極の心理サスペンス!

『彼女の恐喝』
著者:藤田宜永
出版社:実業之日本社
価格:¥1,600(税別)

ロマンティックミステリーの傑作!サンドラ・ブラウン「最後の銃弾」

サンドラ・ブラウンと言えば、ロマンス小説の第一人者。
特に、サスペンス、ミステリー仕立ての作品はロマンティックでとてもスリリング。
「コピーフェイス 消された私」は以前、NHKでドラマ化され、
話題になりました。
はまさき、「コピーフェイス」は何度も読みました。
物凄く面白かった。その後いくつかの作品を読んでいます。
そして、「最後の銃弾」は久しぶりに読んだ傑作。
やはり、面白かったです。

サヴァナ地区の殺人課刑事のダンカン・ハッチャーは、
犯罪組織の大物・サヴィッチをやっとの思いで逮捕し送検した。
だが、裁判では証拠不十分で釈放されてしまった。
そして、その時の判事・レアードに悪態をつく始末。

その後、ダンカンの相棒・ディーディーが優秀な警察官として
表彰されることになり、ディーディーをエスコートして、
パーティ会場へ向かった。
そこでダンカンは、レアード判事の妻・エリースと出会う。
その美しさと聡明さに一目で恋におちたダンカン。
だが、ダンカンはその想いを自分で認めることが恐ろしい。

ある真夜中に、ダンカンは、レアード判事の邸宅に呼び出された。
エリースが侵入者を射殺したと言うのだ。
正当防衛を主張するエリース。だが、ダンカンは彼女の言い分に
納得できない。
謎めいた彼女の言葉を心のそこから信じることが出来ないのだ。
そこでダンカンは、ディーディーと二人で、エリースを調査することに。

殺人の容疑者・エリースにどんどん惹かれてゆくダンカン。
彼女の言葉を信じたい。でも信じられない。
その葛藤に次第に自分を見失ってゆくダンカン。
刑事として容疑者かも知れない女、しかも判事の妻に
思いを抱くなど・・・論外。
恐ろしい罪は犯したくない。しかし・・・・。

その後も、彼女の周りで次々と殺人事件が起こる・・・。
果てしてエリースは稀代の悪女なのか?それとも・・・?

一人の女性の悲しい過去が、罪を犯罪を呼び寄せてしまう。
その陰に暗躍する、犯罪組織の大物サヴィッチ。

一番のワルは誰なのか?
クライマックスのドンでん返しと超スリリングな展開に読者も翻弄される!

満足度NO1のサスペンスミステリーです。

『最後の銃弾』
著者:サンドラ・ブラウン/秋月しのぶ(訳)
出版社:集英社(文庫)
価格:¥933(税別)

嫌ミスなのに読後はスッキリ!?「誤算」

帯のコメント「こんなに面白い本10年間も眠らせていてすみません!」に
つられて手に取りました。
なんと、第27回横溝正史ミステリ大賞・テレビ東京賞受賞作!

なんとテーマは「遺産相続」!。
2時間のサスペンスドラマではよくあるけれど・・・。
小説で読んだのは久しぶりです。

美人だけれど、まじめすぎて融通が利かない主人公・奈緒。
有能な看護師だが、その性格で職場ではちょっと浮いてる?
さらに、だめんず夫のせいで貯金はすべて底をつく。
心を病んだ奈緒は夫と離婚。仕事もやめて心機一転を図る。

そんな奈緒に住み込み看護師の仕事が舞い込んだ。
患者は、資産家のわがままな気難しい老人。
奈緒は老人のために必死に看護をした。
やがて、寝たきりに近い状態だった老人は、
奈緒の看護で軽い散歩が出来るまで回復した。
奈緒の性格がここでは威力を発揮したのだ。

しかし老人の回復を快く思わない連中がいた。
それは老人の家族たち。莫大な財産を目当てに
彼らは欲をむき出しにし足を引っ張り合っていた。
呆れる奈緒だったが、彼女にも遺産相続の
チャンスが訪れる!

人間のお金への執着はほんとに凄いと思う。
家族なのに、お金のために自分の父親の死を願う。
そこに巻き込まれる主人公・奈緒。
よくある遺産相続問題での事件かと思って読んでいたが、
物語は意外な展開を見せる。
ほう~こんな面白い方向へ・・・!

まじめ過ぎる、主人公奈緒に共感。
読んでる間中応援していました。

『誤算』
著者:松下麻理緒
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥640(税別)

2018年徳間書店文庫大賞受賞作「二年半待て」

女性を主人公にしたサスペンス小説を
多く描いている新津きよみさんの短編集
「二年半待て」が、2018年徳間書店文庫大賞を
受賞しました。

サスペンス小説も大好きなはまさき。
早速読んでみました!

女性が長い人生で通過する転換期の「〇活」に
焦点を充てたサスペンスミステリー。

全7話あり、「就活」について描かれた第1話は、
娘の就職がなかなか決まらないことに気をもむ
母親の心情を描く。娘のこともさることながら、
自分の母がひた隠す自らの出生の秘密が、意外な
結末に結び付く。ええ~っと驚愕!

「婚活」について描かれた第2話。
男性が、恋人の女性に結婚は2年半待って
と懇願。その理由とラストに困惑?

「恋活」がテーマの第3話。
理系でオタクっぽい兄になんとか恋人をつくって
あげようと画策する妹。だが兄の態度に
危険なにおいを感じ取った妹は・・・。
良かれと思ってやったことがものすごく
恐ろしい結果を招く。ちょっと怖い1作。

「妊活」がテーマの第4話の物語は、
大学生の息子が年上の女性と結婚した。
しかも女性はバツイチの上に息子とはできちゃった婚。
40代の母親は内心複雑だ・・・。
しかし、嫁の子どもが欲しい願望は強い。
そんな女性二人に起こったアクシデント!
なるほど、そういうことだったのか!と納得。

「保活」とは、保護者が子供のための保育所を探す
活動を言う。介護、多重介護、孫の世話と
50代であらゆる介護をしてきた女性は、最近高齢の実母の
様子がおかしいことに気づく・・・。もしや認知症か・・・?
またしても介護の文字が頭をかすめる・・・・。
ダブルケアで心身ともに消耗する女性の姿を描く・・・?
読んでいると自分にもあてはまってきそうで一番恐怖した1作。

「離活」がテーマの第6話。若い頃、一人の男性を巡って
親友と争った。結局好きだった男は親友に奪われてしまう。
そんな2人が離婚をした!?
親友の罠にはまってしまった女性の本当の叫びが胸を打つ!

「終活」はお片付け。謎の日記を遺して逝った祖母。
恋活パーティーで出会った男性がその謎を解くという。
日記の謎解きをするうちに、祖母の過去が明らかに。
ちょっと切なくなる1作です。

女性に起こるであろう身近なシチュエーションが
見事なミステリーに変貌している。
ちょっとドキッとするサスペンス調の作品も含め、
見事に騙される。軽いタッチで描いてある分、
ストーリー展開とどんでん返しの持っていきかたが
巧過ぎる!
さらっと読める7つの短編集です。

『2年半待て』
著者:新津きよみ
出版社:徳間書店(文庫)
価格:¥640(税別)

凄すぎるミステリー「天上の葦」

太田愛さんの新作「天上の葦 上下」を読みました。
デビュー作「犯罪者」から2作目の「幻夏」。
常に弱者を見つめ、社会の矛盾点をついた重厚な
ミステリーを描き続ける太田愛さん。
その作品は読んでいると心にずっしりと響きます。

そして最新作「天上の葦」は、前2作を上回る力作です。
凄すぎるミステリー作品。

老人が渋谷のスクランブル交差点でいきなり
天を指し倒れ、そのまま息を引き取った。
白昼に起こった老人のその奇妙な行動は、
お昼のニュースで放送され、衝撃がはしった。

老人が指差した先には何があったのか?
ある筋から調査を依頼された探偵の鑓水と修司。
期限は2週間!?修司は納得できなかったが
成功報酬の大きさに逆らえず、調査を受けた。
鑓水はまず亡くなった老人の過去をさぐる。
老人は90歳を過ぎるまで現役の産婦人科医だった。
小さな個人病院だったが親切丁寧で看護師からも
患者からも信頼されていた。
彼を紹介した記事を読んだ鑓水は、戦後産婦人科医に
なってからの経歴しか記載されていないことに
疑問を持ち、それ以前の彼の経歴に何かあると
推理し、修司と共に関係者を探すことにする。

一方、交通課に左遷された刑事・相馬は、
公安の課長から部下の行方を内偵して欲しいと依頼される。
まじめな公安刑事がなぜ行方を断ったのか・・?
何を調べていたのか・・・?
二方向からの調査は、やがて交差し、読者の想像を
はるかに超えたストーリーへと展開する。
そして、鑓水・相馬・修司の三人でこの事件の背景を
調査してゆくと、隠されていた老人の過去に辿り着く・・・・。

戦後70年、忘れさられようとしている、太平洋戦争。
その時、国は如何にして国民を戦争に駆り立てたのか?
それはメディアの暴走だったのではないか?

戦争中、帝国軍が国民に強いてきたこと。
それを当然のように受け入れてきたこと。
その描写力とストーリーは圧倒的臨場感を持って
読者の心に刻まれる。

心臓を患いながら、死に瀕して必死に老人が訴えたかった
ある強烈なメッセージ。それを明らかにするために
三人は命懸けで奔走する。

シリーズ史上最も面白い、最もスケールが大きい!
読み終わった後の余韻がなかなか去らず、心に残る凄い
ミステリー作品です。

『天上の葦 上下』
著者:太田愛
出版社:KADOKAWA
価格:各¥1,600(税別)