最強の女刑事・淵神律子シリーズ第2弾『スカーフェイスⅡデッドリミット』

「SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室」、
「生活安全課0係」シリーズなど、今人気の
警察小説を描き続ける、富樫倫太郎さんの
異色の警察小説、「スカーフェイス」。

前作が非常に面白かったので、シリーズに
ならないかなと思っていたら、第2弾が発売されました。

律子の荒っぽさは変わらず、警視庁内部でも
敵が多い淵神律子。

しかし、特別捜査第三係のメンバーは、淵神の
優秀さを知っている。

ある時、一人の男が人体の一部とパソコン持って
警視庁に出頭してきた。
それらを詰めたバッグの中から一枚のメッセージが
出てきた。そこには「淵神律子以外のものはさわるな」
と書いてあった。

淵神は、出頭してきた男に覚えがない・・・。
過去の事件が関わっているのか?

そしてパソコンの映像には、生き埋めにされた
若い女性の姿と48時間後には酸素が無くなるという
カウントダウン表示があった。
早急に動かなければ女性が死んでしまう!

淵神をメインとする捜査態勢に捜査一課の面々は
激昂するが、上からの指示で矛を収めざるを得ない。

重要データへのアクセス権をとりつけた、淵神は
特別捜査第三係の円・藤平とともに捜査を開始。
やがて、被害者二人の身元が判明する。

被害者はある「AV」で繋がったのだ・・・・。

律子はこの捜査に没頭する。しかしその裏では
もう一つの事件が進行していた。

警察小説としては非常に面白い。
だから、次々とページが進んでしまう・・・。

ちょっとしたはずみで底辺に落ちた女性たち。
小さな夢を持ちつつ、それを叶えようと必死な女性たち。
そんな彼女たちを言葉巧みに誘い、最悪の場所へと陥れる!
人の心を持たない、ケモノのような人間たちの
所業に淵神たち刑事は言葉もない・・・。

衝撃を通り越し、心に痛みが永遠に残る哀しいストーリーだ。

『スカーフェイスⅡ デッドリミット 警視庁特別捜査第三係・淵神律子』
著者:富樫倫太郎
出版社:講談社(文庫)
価格:¥780(税別)