衝撃度MAX!『ブラッド・ブレイン②闇探偵の暗躍』

小島正樹さんの「ブラッド・ブレイン②闇探偵の暗躍」
を読みました。

「確定死刑囚」を収監した陸の孤島、
「脳科学医療刑務所」で死刑囚が毒殺された。
「闇探偵」月澤と捜査一課の百成が
事件の真相に迫る!

7年前に月澤が起こした「警察連続殺害事件」
を調べると百成は決心した。

百成は、脳科学医療刑務所の特別矯正監・
早坂に呼ばれた。
この医療刑務所で収監者が毒殺されたのだ。

早坂の命で、百成と月澤は毒殺事件の
調査をすることに。
しかし、その早坂も何者かに殺害
されてしまう。

早坂が死亡したことによって、
非常事態プログラムが発動される。
刑務官、警察官は会議場に集められ
閉じ込められる。
そして、収監者は自由に動ける状態になる。
犯人はそれを狙っているのか?

7年前の警察官連続殺人事件の模倣なのか?

謎が謎を呼ぶ、医療刑務所での連続殺人。
月澤のアドバイスで推理を展開する百成。
犯人の真の狙いはどこに?
そして、真犯人は誰なのか?
やがて百成は信じがたい真実にたどり着く!
その真実が百成の心を砕く。

月澤凌士という強烈なキャラクターと
生真面目な百成のコンビが最強の敵に挑む
シリーズ第2弾。

「医療刑務所」という完全なクローズド
サークルで繰り広げられる警察官連続殺人。
収監者の中で誰が犯人でもおかしくない
怪しい状況。崩せないアリバイ。
密室での不可能としか思えない殺害事件。
そして、想像を絶するトリック!

やりすぎミステリの異名を誇る小島ワールド!
今回も堪能しました。

『ブラッド・ブレイン② 闇探偵の暗躍』
著者:小島正樹
出版社:講談社(タイガ文庫)
価格:¥858(本体¥780+税)

マリア&漣シリーズ第3弾、ただ事ではない面白さ。「グラスバードは還らない」

型破りな女性刑事マリアと
スマートな日系人刑事の漣が
難解な事件を解決する、本格ミステリー。
鮎川哲也賞受賞作、「ジェリーフィッシュは凍らない」
第2弾の「ブルーローズは眠らない」に続く
第3弾「グラスバードは還らない」を読みました。

不動産王のヒュー・サンドフォードが
大規模な希少動物の違法取引に関与して
いるという情報を掴んだマリアと漣は、
ヒューが所有するガラス張りの超高層ビル
「サンドフォードタワー」に向かった。

捜査令状もなし、事前のアポイントも
ない状態で乗り込んだマリアと漣。
当然、門前払いを食らってしまう。

しかし、ヒューの調査を諦められない
マリアは単身、突破を試みる。
漣は上司の無軌道な行動に呆れつつ
タワーに入っているテナントで調査を
開始した。

その直後、タワーが爆破された!
マリアはタワーの中に取り残された!

同じ頃、ヒューの懇親パーティーに
呼ばれていたガラス製造会社の関係者
4名は、知らぬ間に拘束され窓のない
迷宮に軟禁されたことに気づく。
なぜ拘束されたのか理由がわからないまま
戸惑う4人。
「答えはお前たち知っているはずだ」
というヒューからの不気味な伝言に怯える中、
灰色だった壁が突如透明に変わり、
血だまりに横たわる男の姿が浮かび上がる!

ガラス張りの迷宮と言う特異な
シチュエーションで起こる不可能殺人!
犯人と凶器はいったいどこへ消えたのか?
想像を絶するトリックに唖然!

さらに手に汗握る、超スリリングな
タイムリミットサスペンスを絡めた
この作品、シリーズ2作品の面白さを軽く超える。

真相が明らかになるクライマックスでは
前代未聞の逆転劇に思わず絶句!

王道のミステリー展開に、マリアと漣、
二人の魅力がプラスされ面白いことこの上ない!
シリーズを追うごとに面白さが増してゆく!

次回作も期待大!

『グラスバードは還らない』
著者:市川憂人
出版社:東京創元社
価格:¥858(本体¥780+税)

新卒採用がミステリーに!「六人の嘘つきな大学生」

話題沸騰、浅倉秋成さんの
「六人の嘘つきな大学生」を読みました。

今後の人生のすべてが決まってしまう
就活。企業の新卒採用のシステムに
翻弄される学生たちの姿が印象深い。

学生が憧れる、新進気鋭のIT企業
「スピラリンクス」。
初めて行う新卒採用で最終選考に
残った六人の男女。

その六人の就活生に与えられた課題は、
一か月後までにチームを作りあげ、
ディスカッションをするというもの。
六人全員で内定を勝ち取るため、
波多野翔吾は五人の学生たちと
励まし合い交流を深めてゆく。
チームもまとまり、ディカッションの
テーマも決まり、残すは当日に課題を
やり遂げる!というところまできた。

ところが、直前に課題の変更が!
それは「六人に中から一人の内定者を
決める」こと。
信頼し合える仲間だったはずの六人は、
一つの椅子を奪い合うライバルとなってしまった!

内定をかけた議論が進む中で、奇妙な
封筒が発見された!
その中から個人名の書かれた六通の封筒が出現。
それは、六人の罪を暴く告発文だった!
六人の罪とは?告発者は?その目的とは?

告発文を巡る息詰まる心理戦!
そのディスカッションを中心に
目まぐるしく変わる展開。
登場人物たちの人間像。
それらが絡み合い、グイグイと
引っ張られてゆく!
ミステリー小説の面白さが存分に味わえる。

しかし、この本を読んで日本特有の
就活の在り方に疑問を抱いてしまった。

企業の面接は、人間のどの部分を評価
して、合否を決めているのか?
何が正解なのか、わからない。
これも日本社会の一つの問題点ではないかな
と思ってしまった。

『六人の嘘つきな大学生』
著者:浅倉秋成
出版社:KADOKAWA
価格:¥1,600(税別)

想像を絶する結末!「あの日、君は何をした」

TLで多くの方が紹介されていた、
まさきとしかさんの「あの日、君は何をした」
を読みました。

母親の子供に対する無条件の
愛情、時にそれは狂気へと変貌する。
息子に対する母親の愛情が濃厚
すぎて、読んでいるとむせかえるような
感じがした。

夫と二人の子供に恵まれた平凡な主婦
水野いずみは、幸せの絶頂にいた。

ところがある日、連続殺人犯が警察署
から逃走する。
いずみの息子・大樹は、たまたま深夜に
自転車で出かけていたところ、警官の
職質にあい、その場から逃走し事故死
してしまう。
連続殺人犯と間違われた果ての事故死。

いずみは絶望のどん底に落ち、家族は
崩壊してしまう。
大樹が深夜に家を抜け出し自転車に
乗っていたのはなぜなのか・・・・?

その十五年後、新宿区で若い女性が
殺害され、重要参考人である不倫相手の
百井辰彦に疑惑の目が向けられる。
しかし、辰彦は事件後行方不明になっていた。

夫が行方不明になっても無関心な妻・野々子。
辰彦の母・智恵は嫁の態度に疑惑を
抱きつつ、辰彦を必死で探そうとする。

捜査を担当する三ツ矢刑事は、関係者に
聞き込みをする過程で、無関係に
見える二つの事件を繋ぐ手掛かりを掴む。

緻密に配された伏線が徐々に回収されてゆく。
それらが一本の線に繋がった時
信じられない真相にたどり着く。

二転三転する展開、その裏にある、
最凶の真実に震える!

ミステリーとして最上級の面白さ!

『あの日、君は何をした』
著者:まさきとしか
出版社:小学館(文庫)
価格:¥720(税別)

切ない青春ミステリー。「Ghost僕の初恋が消えるまで」

天祢涼さんの新作「Ghost僕の初恋が消えるまで」
を読みました。

連続殺人犯に殺された16歳の少女・いのり。
いのりを姉のように慕っていた10歳の少年、理人。

死んでしまったはずのいのりはある日
理人の前に姿を現す・・・・。
いのりを想い続ける理人の描写がとても
切なくて心が震える。

第1章「16歳と10歳」
幽霊となって理人の前に現れたいのり。
犯人の顔を見たいのりは、いまだに
捕まっていない犯人の逮捕に協力
して欲しいと理人に訴える。
理人は、いのりのために犯行の証拠を
見つけるため、殺人犯に近づく。

第2章「16歳と13歳」
中学生になった理人の前に、突然いのりが現れる。
理人のクラスメートが自殺と殺人を
計画しているという。
これまでクラスのことを他人事ととらえ
何に対してもクールな態度でいた理人
だったが、改めてクラス内を見ると
教室内でいじめが起こっていることを目撃する。

第3章「16歳と16歳」
高校に進学した理人は吹奏楽部に入部。
コンサートのソリストに指名された1年生の
女の子がそれを拒否。騒動になってしまう。
いのりと理人はその理由を探ろうとする。

第4章「16歳と19歳」
大学に通う理人。年上だったいのりの年齢を
追い越した。幽霊となってずっと理人のそばに
いたいのりは、ついに成仏するときがきたと
告白する・・・。

4編が繋がる連作で構成されたミステリー。
理人と幽霊のいのりがその謎を明らかに
してゆく。

全編を通して感じられるのは、いのりを喪った
理人の大きな喪失感。
13歳になった理人の前に、いのりの霊が
再び現れるた時も、再会できた喜びと
いのりがゴーストだという哀しい現実に
揺れ動く。

4つの物語に張られた伏線。それが
回収されラストに繋がってゆく・・・。
そしてさらにエピローグ「20歳」で
胸がいっぱいになった。

いのりの優しさに涙があふれそうになる。

心に深く残る青春ミステリー。

『Ghost僕の初恋が消えるまで』
著者:天祢涼
出版社:星海社
価格:¥1350(税別)

検察ミステリーに新たなヒーロー登場!?「能面検事」

どの作品を読んでも、必ずアッと驚いて
しまう!!中山七里さんのミステリー。
最近の文庫作品では検事が主人公の
「能面検事」に驚かされた!

上位下達が絶対の組織において、
まったく空気を読まない、一切忖度しない
ひたすら、事件の真相解明に奔る検事。

大阪地検一級検事の不破俊太郎は、
どんな圧力にも屈しない。
誰の前でも微塵も表情を変えない
ことから「能面」と呼ばれている。

その能面の威力で、
警察の厳しい取り調べでも
落ちなかった容疑者が、不破の
前では簡単に落ちてしまう。
不破が担当した事件はほぼ100%
有罪を勝ち取ってきた。

しかし、不破の詳細な調査は
時として、警察組織から疎まれた。

新米事務官の惣領美晴は、不破に
対し、感情を剥き出しにするが、
いつも不破に窘められる。
そんな不破に不満を感じつつも
彼の仕事ぶりには畏敬の念を抱く。

ある時、西成でおきたストーカー
殺人事件の調査を進める中で、
容疑者として送検されてきた
男性のアリバイを証明し冤罪を阻んだ。

しかし、その過程で捜査資料が紛失
していることの気づく。
地検と大阪府警は隠蔽しようとするが、
不破は徹底的に調べあげる。
それは大阪府警を揺るがす一大スキャンダルに
発展する!!

地検と警察、持ちつ持たれつの関係、
警察の面子を守れ!という空気に不破は抵抗する。

不正を許さないというゆるぎない
信念は驚愕の真実にたどり着く!!!

不破検事の度を越えた厳しさに最初は
美晴と同じような気持ちになったが、
読み進むうちに、この厳しさがなければ
不正はなくならないと思った。

不破検事が登場する検察ミステリー
続編も描かれているようなので、
次に読むのが楽しみだ。

『能面検事』
著者:中山七里
出版社:文藝春秋(文庫)
価格:¥680(税別)

探偵・海老原浩一シリーズ「怨み籠の密室」

小島正樹さんの文庫新刊「怨み籠の密室」
を読みました。
心優しき探偵・海老原浩一が登場する
シリーズ8作目となります。

家族の愛が悲劇に繋がってしまった
事件。胸が締め付けられる。

飛渡優哉は、父が死の間際に
残した言葉が気になった。
「謂名村・・・殺され・・・」
優哉が4歳の時、母は謂名村で
亡くなっていた。
もしかしたら、母は何者かに
殺されたのか?父はそれを伝えようと
したのか?
母の死の真相を探るため、優哉は
一人謂名村へ向かう。
しかし、その村の住民たちは皆
優哉に冷たかった。
誰もが父母のことについて口を
閉ざした。
たった一人、「逆らってはいけいない
人に逆らった」と教えてくれた。

この状況に耐えきれず、優哉は、
過去に自分を救ってくれた、
探偵・海老原浩一に助けを求めた。

そんな時、村の焼き物工房で首吊り
死体が発見される。
それは、優哉の母がかつて勤めて
いた工房の主の妻だった・・・。

優哉の父母の過去、彼らをとりまく家族の悲劇。
封建的な村だからこそ起きてしまった数々の隠蔽。
そして、明らかになる優哉の母の死の真相。

海老原の推理により解き明かされた
真相はあまりにも悲劇的だった。

そして、緻密な密室トリックに驚嘆する!

海老原のさりげない優しさが際立った本作。
数奇な運命に翻弄された青年の心を癒す。

『怨み籠の密室』
著者:小島正樹
出版社:双葉社(文庫)
価格:¥740(税別)

日本社会のタブーに斬り込んだ!「ドクター・デスの遺産」

犬飼刑事シリーズ第4弾「ドクター・デスの遺産」
を読みました。

「安楽死」に対する著者の深い考察が
この作品をただの警察ミステリーと
して終わらせていない。
日本社会の背景がしっかりと描き込まれ
さらに問題提起されている。

警視庁本部に設置された通信指令
センターに一人の少年から通報があった。
闘病中の父が悪い医者に殺されたというのだ。
少年は昨日も同じことを通報してきた。
話を聞いた女性警官は、2日続けての
少年の訴えに同情し、捜査一課の
高千穂刑事に事情を説明した。

高千穂は、相棒の犬飼刑事に相談。
露骨に嫌そうな顔をされるが、
二人は少年の家に事情聴取に向かった。

母親は息子の勘違いだと説明したが、
近所の聞き込みにより、親子の
意見が食い違うことが発覚。
嘘をついているのは母親のようだ。

そこで、犬飼らが母親の周辺を調査すると
「ドクター・デス」という怪しい
サイトにアクセスしていることを
突き止める。

「ドクター・デス」は、安らかで
苦痛のない死を20万円で提供する
という医師が開設したサイトだった・・・。

この少年の通報を契機に、日本各地で
類似の事件が次々と明らかになる。

難航する捜査。
ドクター・デスと名乗る医師の正体とは?

海外ではすでに認められている「安楽死」。
日本では未だにタブー視されている。

しかし、苦しい痛みを伴う難病や末期がん
の凄惨さは本人もつらい、看病する家族もつらい。

愛する人の苦しみを少しでも軽減したい。
そして楽にしてあげたいと思うのは
いけないことなのか?

もし自分がそういう立場になったら
どうするだろう・・・?
「生」と「死」について、深く考え
させられる。

そして、物語中盤の驚くべき展開に
衝撃を受けた!

日本社会の歪みに「どんでん返しの帝王」が
鋭く斬り込んだ、究極の社会派ミステリー。

『ドクター・デスの遺産 刑事犬養隼人』
著者:中山七里
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥640(税別)

バチカン奇跡調査官シリーズ、短編集第5弾「三つの謎のフーガ」

「バチカン奇跡調査官」シリーズの短編第5弾は
ミステリー作品3編が収録。
短編だけれど、長編のような読み応え!
難解な謎に挑む、人気キャラたちに思わずニヤリ。

イタリアの次期大臣と目されている
人気の国会議員、ベルージェ氏が
雑誌のインタビュー中、何者かに
狙撃され亡くなった。
多数の目撃者がいる中での殺人。
しかし、誰も狙撃者を見た者はいない。
まるで透明人間による殺人のようだった。
この不可思議な事件の謎を解明するのは
イタリア国家治安警察隊のアメデオ大佐。
しかし、アメデオに解けるはずもなく、
またしても、「あいつ」の力を借りることに。
そして、一番苦手な心理捜査官・フィオナと
ともに事件の捜査を開始した。
【透明人間殺人事件】

チャンドラ・シン博士のもとに、親族の
叔母から連絡が入った。
「夫の遺言を誰も解読できない。解読
できないと息子が相続権を失ってしまう!
知恵を貸して欲しい!」と・・・。
暗号解読と言えば、ロベルトだ。
シン博士は、ロベルトに暗号解読を依頼する。
【ダジャ・ナヤーラの遺言】

休暇を一緒にどうか?と珍しく平賀の方から
ロベルトに誘いがかかった。
そして一緒に「蜘蛛男」が出没するという
村にやってきた。
壁を這って移動したり、車に張り付いたり
と人間ではありえない動きをするという。
平賀は本当に蜘蛛男がいるのではないかと
目をキラキラさせているが・・・。
【スパイダーマンの謎】

身勝手な人間の心の闇に斬り込んだ。
超難解なミステリーあり、
また、緻密な暗号解読の過程が面白く、
さらに親族の絆と愛情の深さに感動したり、
モンスターの意外な正体に驚愕したり・・・。

バラエティに富んだミステリー。
バチカン奇跡調査官シリーズの奥深さに
心が震えた。

『バチカン奇跡調査官 三つの謎のフーガ』
著者:藤木稟
出版社:KADOKAWA(ホラー文庫)
価格:¥720(税別)

シリーズ最高傑作と言っても過言ではない!「月下蠟人 新東京水上警察」

吉川英梨さんの「新東京水上警察」シリーズ
第5弾「月下蠟人」を読みました。

この作品は、シリーズの中で一番
心を揺さぶられました。

コロナ禍の東京。
警視庁五港臨時署強行犯係でも
皆マスク着用、感染リスクに戦々恐々と
している中、青海埠頭で死体があがったと
連絡が入り、刑事防犯課強行犯係・
係長の碇拓真は、部下の日下部と
共に現場へ向かった。

それは、不気味な光景だった。
東京湾に突き出す巨大なガントリークレーンに
死体らしきものが吊り下げられていたのだ。
慎重におろして見るとそれは蠟人形だった。
そして、その中から男性の刺殺体が発見された。
胸元には「996」という数字。
さらに、蠟人形の異様な製法・・・。
顔の完成度は完璧なのに、それ以外は
ざっくりと作ってある。
絶対にプロの仕事ではないだろう。

そんな謎めいた死体の身元を知るきっかけを
くれたのは、碇の恋人で人手不足を補う
ために助っ人に入った有馬礼子だった。

礼子のヒントから真相に迫る五港臨時署強行犯係。
しかし、捜査に集中すべき時、班長・碇の
様子がおかしい。日下部は、いつもと違う
碇の姿に不穏な空気を感じ取った。

一方、碇は今までにない重い十字架を背負う
ことに・・・・。

とにかく、冒頭からこのシリーズのファン
を驚愕させる展開!
どうなっているの!?
こんなのあり!?と思わず叫びたくなる!

そして蠟人形に固められた刺殺体の
事件の真相はあまりにも悲劇的!
さらに、碇が背負いこんだ問題も
この事件に多少なりとも関わってくるのだ。

同僚と結婚し妻の出産が間近い
日下部は、苦しむ碇を優しく気遣う。
日下部の人間としての成長が際立った本作。

事件の真相が徐々に明らかになる過程は
読んでいると胸が締め付けられる!
こんなひどいことが・・・・。

涙なくしては読めない今作。
ラストは号泣してしまった。

本当に、シリーズ最高傑作です!

『月下蠟人 新東京水上警察』
著者:吉川英梨
出版社:講談社(文庫)
価格:¥740(税別)