第11回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作「幻の彼女」が凄い!

島田荘司さん選の「ばらのまち福山ミステリー文学賞」。
この賞を受賞され、デビューしたミステリ作家さんは結構多い。
今年は11回目。
受賞作は、酒本歩さんの「幻の彼女」(光文社)です。

色々なところで取り上げてありました。これは絶対に
読まないと!と思い、先週いっき読みしました。

ドッグシッターの風太のもとへ、元カノ・美咲の訃報が
届いた。自分と同じくらいだからまだ30代だ。
若すぎる死に驚く風太。友人の雪枝と飲んでいた時、
その話をすると他の元カノにも連絡してみたらと言われる。

風太は、蘭とエミリのことを思い出し、連絡取ろうとした。
しかし、二人にも連絡がつかず消息がつかめなかった。

風太の心に得体の知れない不安が広がっていった。
いったい3人はどうなったのか?

風太はドッグシッターの仕事を中断し、3人の行方を追う。
彼女たちの友人、住んでいた家、通っていた学校など…。
しかし、彼女たちはまるで存在しなかったかのように
全ての痕跡が消えてしまっていた。

日々、憔悴してゆく風太を心配する雪枝と、
風太の同級生・裕一郎は、彼をサポートし彼女たちが
消えた謎を追う….。

一人の男性と交際していた女性が、3人とも行方知れずになる?
何だこの展開?。早々に不気味な事件の予感が!
女性たちは殺されたのか?じゃ犯人は風太なのか?

読みながら、様々な推理が頭の中で炸裂する!
伏線となるキーワードが登場すると、もしかして
こういうことなのか?とまたまた推測するが、
そのすべてがことごとく覆される!

推理する面白さと、その面白さを越えた尋常ならざる
真相に度肝を抜かれた!

凄いミステリー小説の誕生です!

『幻の彼女』
著者:酒本歩
出版社:光文社
価格:¥1,500(税別)