天久鷹央シリーズ長編第1弾「スフィアの死天使」が面白い!

天久鷹央シリーズの長編ものです。
短編も面白いのですが、長編好きにはたまりません!
読み始めたらすっかりはまってしまいました。

外科医を辞め、内科医として新たな
道に進もうと、天医会総合病院に勤務
することになった、小鳥遊(たかなし)優は、
そこで、運命的な出会い果たす。

小鳥遊が配属されたのは、統括診断部。
その部長は天久鷹央。
小柄で、見た目は女子高生にしか
見えない。しかも初対面なのに上から目線で
人の痛いところをズバズバ突いてくる。
何なんだこの人は・・・?
小鳥遊は呆れて言葉ができない。

空気が読めず、人とコミュニケーション
をとることが苦手な天久鷹央は、しかし
日本最高峰の頭脳を持つ天才女医だった。

そんなこんなで鷹央のことを知った
小鳥遊は早速統括診断部での仕事が
始まった。

ある日、宇宙人による洗脳を訴える
患者が現れ、病院内で飛び降り自殺を図った。

さらに、救急で運びこまれた患者が、
またしても宇宙人に命令されたと言って
医師を殺害してしまった!

院内で起こる不可解な連続事件。
調べてみると、殺された医師の娘が
宇宙人信仰思想の「大宙神光教」に
入信し、親子の間でトラブルがあった
ことが判明する。

鷹央は殺された医師の事件究明のため、
小鳥遊と二人「大宙神光教」に
潜入するが・・・。

鷹央の突拍子もない行動に振り回される小鳥遊。
しかし、なぜか鷹央を放ってはおけない。
直属の上司だし・・・。
この二人の掛け合いに多分はまってしまうのかな?

物語の最初の方で、鷹央が謎の痛みに
苦しむ女性の話を聞いただけで病名をスパッと当て
適切な処置を進めた場面は、さすがに
現役医師にしか描けないな~と眼からうろこ。
こういうところがこのシリーズの際立った面白さ。

長編ということで、様々な仕掛けを施してあり
新興宗教の施設に潜入するシーンなどドキドキ、ワクワク。
そして、真相解明までのどんでん返し。
え~そういうことだったの~。と納得したところで
またもやのどんでん返しにやられました。

これからの鷹央と小鳥遊の活躍に期待!
次は「幻影の手術室」を読みます!!

『スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ』』
著者:知念実希人
出版社:新潮社(新潮文庫nex)
価格:¥670(税別)