おすすめホラーファンタジー「はざまにある部屋」

『フェイスレス 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結』
シリーズ、『クラン』シリーズなど、独特の世界観で
描かれる警察小説が魅力の沢村鐵さん。
そんな沢村さんのホラーファンタジー
『はざまにある部屋』を読みました。

子どもたちが主人公で、自分たちにふりかかる
災厄を皆で協力して立ち向かう姿にうるうるでした。

小学5年生の彩香が住む町の山の中腹に建つ古い
アパートに引っ越してきた和枝。
いつも優しく包み込んでくれるような和枝は、
彩香の唯一の友だちだった。
そんな和枝が2学期から学校に来なくなった。

心配になった彩香は、担任の先生に相談する。
その日、様子を見に行った担任の先生は、
次の日から学校に来なくなった。
さらに女性教諭にも相談し、アパートに
行ってもらったが、担任の先生と同じような
状況になってしまった。

いったいあのアパートで何が起こっているのか?
彩香は一人、アパートを訪ねることに。

誰も住んでいないはずのアパートに暮らす謎の住人たち。
危険な空気を醸し出す、202号室。
不気味な烏の群れ。
そして、アパートを訪ねた街の人たちは次々と
抜け殻になってゆく!

彩香は大切な友人・和枝を助けることが出来るのか?

不気味なアパートの正体が徐々に明らかに
なってゆく過程が怖い。

ホラーテイストでありつつ、子供たちの
前にたちはだかる大きな恐怖にどう
立ち向かってゆくのか?
自分自身をとりもどす成長の物語でも
あるなと感じた。

グイグイと読ませるストーリー構成の
上手さに気がついたらイッキ読み
していました。

中高生にもおすすめのホラーファンタジー。

『はざまにある部屋』
著者:沢村鐵
出版社:潮出版社(文庫)
価格:¥800(税別)