「撃てない警官」シリーズ最新作!「消えた警官」

安東能明さんの「撃てない警官」シリーズ
最新作「消えた警官」を読みました。

綾瀬署で警務課長代理を務める柴崎は、
盗犯第二係の巡査・高野朋美とともに
事件の捜査をすることもある。
そこへ、前作より新たに加わった
上河内警部がいい味を出している!

綾瀬署管内では奇妙な事件が多発。

三年前のパトロールメモがゴミ
収集業者によって、署に届けられた。
江森という個人宅のゴミから発見
されたものだった。
何故今頃になって捨てたのか?
柴崎たちは、そのあたりが気になり
調査を始める。
その調査はやがてとんでもない事実に
繋がってゆく・・・。

高齢者福祉施設でボヤ騒ぎがあり、
入所者の女性が意識不明の重体となった。
柴崎は、部下の岩城警部補と高野巡査を
現場に派遣する。
当初は煙草の火の不始末と思われたが・・・。
女性が亡くなったことで、本格的に
捜査を開始すると、そこには想像を
絶する闇が蠢いていた。

綾瀬署交通課の事故処理が杜撰だと
クレームが入った。
ひき逃げ事件に端を発し、次々と
明らかになる杜撰すぎる事故処理の事実。
交通課でいったい何が起こっている?

女子高生が絞殺された。
管内では、ワンルームマンション
の空き部屋から仕切り板を壊し
隣室に侵入する手口の空き巣
が発生していた。
女子高生もその手口で侵入してきた
犯人と鉢合わせし、殺されたのでは?
と推察されたが、女子高生の周囲を
捜査すると意外な事実が
浮かび上がってきた!

綾瀬署生活安全課に異動してきた
小幡弘海巡査部長は、2年前に
忽然と姿を消した。
柴崎、高野、上高地の3人は
これまでの事件を解決しながら、
小幡の行方を追う。
それら事件の捜査の過程で幾度も
小幡の影を感じる柴崎。
果たして、小幡は生きているのか?

アンタッチャブルな警官失踪事件。
その裏には恐ろしい闇があった。

連作短編の強みを活かし、タイトルで
ある「消えた警官」の謎に迫る過程が面白かった。

そして、収録された物語の中の
数々の事件が非常にリアル。
ほんとにどこかで起こっているかも
と思ってしまった。

柴崎シリーズ、次回作も楽しみ!

『消えた警官』
著者:安東能明
出版社:新潮社
価格:¥800(税別)