ミステリ愛にあふれた、最高傑作!「硝子の塔の殺人」

知念実希人さんの「硝子の塔の殺人」が
素晴らしい!
今までの作品は院内で起こる医学的ミステリ
が多かったが、「硝子の塔の殺人」は、
本格ミステリ。しかも作品内で、ミステリ好きが
ワクワクするようなこれまでの
ミステリの名作作品が登場人物によって
語られるというミステリ愛にあふれた作品。

雪深い森の中に建てられた、美しい硝子の塔。
この塔の主である、生命工学科教授の神津島太郎は、
重大な発表をするというということで、
刑事、料理人、医師、名探偵、メイド、霊能力者、
小説家、編集者など曲者揃いのゲストたちが集められた。

ところが、館の主人が毒殺され、火事現場からは
血まみれの遺体が発見される。
さらに血文字で記された十三年前の事件・・・。

事件解決に動いたのは、館の主人の主治医と
女性名探偵だった。

脱出不可能となったクローズドサークルで起こる、
毒殺、火災、さらに密室で起こる不可能殺人。
犯行は内部の人間なのか?疑心暗鬼に陥るゲストたち。

緻密に張り巡らされた伏線。
読者への挑戦状!
これで事件解決かと思った後の大どんでん返し!
圧倒的リーダビリティで物語の世界へと誘われる。

どんだけミステリ好きなんだよ!と突っ込みを
入れたくなるくらいミステリオタクの名探偵。
彼女が語るミステリ名作の数々、読んでいる
だけで幸せだ!

ストーリーも、謎解きも超絶面白い、
著者が初めて本格ミステリに挑戦した
完成度MAXの超本格ミステリ。

『硝子の塔の殺人』
著者:知念実希人
出版社:実業之日本社
価格:¥1,980(本体1,800+税)