新感覚!ちょっとホラーなミステリー『よろず一夜のミステリー』

人気シリーズ、『英国妖異譚』の著者が描いた、青春‘怪’ミステリーシリーズ第1弾です。
『よろず一夜のミステリー 水の記憶』篠原美季(新潮社)

大学生の日比野恵(けい)がアルバイトを始めたのは、都市伝説を扱う不思議系サイト『よろず一夜のミステリー』。
ある日そのサイトに不穏な投稿が寄せられた。「呪い水で人を殺せるって知ってる?」・・・。
同じころ、怪死事件が発生。
サイトの青年社長・万木輝一(ゆるきてるかず)やサイエンスライターの蓮城万聖(れんじょうまさと)など、
個性派ぞろいのチーム「よろいち」が都市伝説の事件の謎に挑む!新感覚のホラーミステリー誕生です!
主人公の日比野恵は、けいって名前なのに皆からめぐみって呼ばれてる。
いじられてるのか?愛されているのか?恵は複雑。 なんといっても顔だけが良い生きる目標ゼロのプーに近い。
それをコンプレックスと感じ、めちゃめちゃ悩んでいる。
その悩みを解決するために、大学では哲学を専攻しているけど、いっそう悩みは深い・・・・。
その恵を容赦なくいじるのは、サイトの青年社長・輝一。
顔が良いのに何やっても中途半端な恵を許せないらしい。
そして恵の兄、稔(じん)は警察庁広域捜査担当のエリート。
恵と違って見てくれは悪いが、仕事も人生も自分の信念にゆるぎないものを持っている。
これも輝一の勘に触るらしい。見てくれが悪いのに、仕事ができるなんて・・?!
ここまで登場人物を紹介してきましたが、とにかく登場人物が個性的でかっこよく、物語の設定にぴったり合致!
肝心の物語は、『呪い水』という都市伝説から怪死事件が発生し、
サイトの投稿者をたどっていく過程で、事件とその裏にある謎をつきとめていく。
チーム「よろいち」と恵の兄・稔との連携で事件解決! 都市伝説を使ったミステリーという設定が結構面白い。
そしてホラーかなっと思って読むと、けっこうしっかりと練られたミステリーです。
チーム「よろいち」にはまりそう!若いミステリー読者にもおすすめの1点です!
10月下旬には第2弾『よろず一夜のミステリー 黄金伝説』(タイトル未定)が発売です。 はまさき、楽しみです~。

『よろず一夜のミステリー 水の記憶』
著者:篠原美季
出版社:新潮社
価格:¥520(税別)