圧巻の展開に絶句!「真夜中のマリオネット」

知念実希人さんの最新作
「真夜中のマリオネット」」
(集英社)を読了。

強烈な面白さで、イッキ読み!
人物描写が秀逸過ぎてのめり込んだ。

婚約者を「真夜中の解体魔」と呼ばれる
殺人鬼によって喪った救急医の秋穂。
深い悲しみを抱えながら、医師だった
婚約者の思いを継ぎ、職場に復帰した。

そこに、交通事故で重傷を負った目の
覚めるような美少年・涼介が運ばれてきた。

秋穂は、必死になって彼の命を救った。
ところが、手術室を出ると刑事が待っていた。
そこで「涼介は真夜中の解体魔だ」と告げられる。

涼介を助けたことで苦悩する秋穂は、
密かに涼介を殺害しようとする。
しかし、涼介に気づかれてしまう。
そんな秋穂は涼介に憎しみの感情を
ぶつけた。

しかし、涼介は容疑を否定した。
この世のものとは思えない美しい涙を
流しながら、「僕は罠にかけられただけ」
と必死に訴えた。
無実と思える証拠を見せられた秋穂は
ためらいながらも、涼介とともに
真犯人を探すことになる・・・。

ただひたすらに秋穂に縋る美少年・涼介。
涼介には夢があり、そのために体を
張って生きていた。
彼を知る周囲の人々も彼の優しさに
心酔していた。

やがて秋穂も涼介の無実を信じるようになる。

涼介の人物描写があまりにも秀逸で
「これほど優しい人が犯人であるはずがない!」
と思わせてしまう。
秋穂とほぼほぼシンクロして涼介にのめり込んで
しまう。

涼介は「天使」か「悪魔」か!?
狂気の「真犯人」は誰なのか?

絡み合った糸が徐々にほどけ
犯人象を浮かびあがらせる・・・。

クライマックスに向かいながら、
心のざわつきが止まらない。

最後の最後、ギリギリまで翻弄され続ける!
圧巻の展開に絶句。

『真夜中のマリオネット』
著者:知念実希人
出版社:集英社
価格:¥1,595(本体¥1,450+税)