澤村伊智さんのホラー作品が存分に楽しめる
ホラー短編集が出ました!!
澤村ファンにはたまりません。
気持ち悪い、鳥肌が立つ、ゾッとする、背筋が凍る、
でもすごく面白い!
3人の女性たちが久しぶりに再会した。
実業家の男性と結婚し、子供が一人いる
女性の家で集まることになった。
懐かしい話に夢中になっていたが、
家の慣わしの話から妙な違和感が・・・。
他人の家のとの「ズレ」が恐怖を呼ぶ!
うわ~っと思わず声が出た。ざわざわ感と
薄気味悪さが半端ない「ひとんち」
3日間連続で悪夢を見た小学生の男の子。
教室で友人たちにその話をすると、まったく
同じ夢を見たと言い出した。
席順にやってくる2つの悪夢が重なった時
どうなる・・・?
悪夢の恐怖がクラスの席順にやってくる
というありえない展開に驚き!巧妙な
仕掛けが面白すぎる!
「夢の行き先」
クラスで浮いた存在で黒づくめの少女
を気にする教師。
家で親に虐待されているのでは疑うが・・。
物語の合間に挿入される不穏なセリフが
戦慄の展開につながる。
こうきたか~と思わず唸った。
「闇の花園」
スーパーマーケットの販促ビデオに死体が
映り込んでいた・・・。
日常のありふれた映像の中に映り込むありえないモノ。
もしかしたら、現実にあるかもしれないと思った。
そう思うと普通にCMとか視るのが怖くなるかも・・・
「ありふれた映像」
同僚の宮本くんの手はいつも痛々しくひび割れている。
それがだんだんとひどくなり、かきむしったあとの
はがれた手の皮が彼の周りに積もっていく・・・。
手の皮が積もるシーンを想像すると気持ち悪い。
いったい何が彼に起こっているのか?
その理由が明かされたときの衝撃が凄い!
「宮本くんの手」
UMAをモチーフにしたロボット「シュマシラ」
を紹介してくれた食玩コレクターと連絡が
とれなくなった「私」は、彼の足跡を辿ることに・・・。
迷宮に迷い込んだ「私」の運命は?
読み進むうちにひたひたと恐怖が忍び寄ってくる
そんな感じだ・・・。
「シュマシラ」
友人から回ってきた水槽。
手入れが簡単だからと言われなんの疑いも
なしに引き受けてしまった。
それが不幸の始まりだった・・・。
不幸の手紙のように回ってきたものとは?
短い物語だからこそ、怖さが際立つ!背筋が凍る。
「死神」
修学旅行が終わり、家に帰ると誰もいなかった。
母が書いた不穏な置手紙。
俺一人残されたのか・・・・?
そして父に電話をした。
そのあとの展開はなんじゃこれ!?
ホラー、ミステリー、SF的展開に唖然!
「じぶんち」
澤村伊智さんの怖い話。なんという引き出しの多さ。
しかもそれがしっかり読者を怖がらせる。
読んだら、絶対に澤村ワールドにはまってしまう。
面白怖いホラー小説のオンパレード!
『ひとんち 澤村伊智短編集』
著者:澤村伊智
出版社:光文社
価格:¥748(¥680+税)