想像を絶する名探偵登場!「人面瘡探偵」

どの作品を読んでも、必ずアッと驚いて
しまう!!中山七里さんのミステリー。
今度の探偵はなんと!人間の肩に宿った
人面瘡が飛び切り優秀な探偵で登場する!

相続鑑定士の三津木六平は、信州髄一の
山林王・本城家に向かっていた。

本城家は、昭和30年代後半の建築ラッシュで
莫大な利益をあげ、一大木材王国を築きあげた。
三つの会社と三つのゴルフ場をも経営。
しかし、バブル崩壊後を機に経営は
厳しくなっていた。
そして、まったく利益をうまなくなった
多くの山林が残ってしまった。

長らく本城家を牛耳っていた
当主・蔵之介が逝去し、資産の鑑定を
することになった。
蔵之介には、4人の子どもがいた。
息子3人と離婚して子供を抱え出戻った娘が一人。

誰もが遺産は僅かしか残らないことを
覚悟していたようだが・・・・。

ある晩 蔵が火事にあい、長男夫婦の死体が
見つかる。
さらに次男は水車小屋で不可解な死をとげた。
骨肉の遺産争いに隠された真相とは!?

時代が変わっても、その土地のルールや
慣習は変わらない。昭和時代そのままの
土地で、男たちが作った価値観の中で
縛られる女たち。
その犠牲になるのは、やはり子どもたちなのか?
横溝正史の世界観を彷彿とさせる展開にも
魅了される。

次々と起こる連続殺人に、鑑定士と人面瘡が果敢に挑む。
頼りない宿主の鑑定士・三津木を叱咤激励する人面瘡・
ジンさんとのコンビが超絶な面白さを生んでいる!

『人面瘡探偵』
著者:中山七里
出版社:小学館(文庫)
価格:¥836(¥760+税)